タマフル映画祭に行ってきました 〜ハイ・コンセプトスケベ、ソフトストーリーに出会う〜
カニエさんのTLOPダウンロードできました。ここのところずっと引っ張ってきたネタでしたしなんならこのまま延々とダウンロードできないぞ〜という報告でお茶を濁す楽しんでいただくのも悪くないかなくらいに構えていたので、あまりにあっさりケリが付いたことが少し寂しいとすら感じています。
実際に聴けるようになるまで焦らされたことで期待値も変に高まってしまったのか、とりあえず一度聴いた限りではそんなにハマっていないのがまた悲しい・・・。祭りは準備までが一番楽しいという警句が脳内をよぎります。
昨夜はバルト9にてタマフル映画祭に参加しました。
イベント初参加、オールナイト上映初体験でちゃんと起きてられるか心配でしたが、大体起きていられました。(2本目でちょっと落ちてました)
三宅隆太さんによるセレクトで『復讐捜査線』と『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』の2本を鑑賞。
どちらもわりと最近の映画でしたが公開当時はまったくノーマークというか公開されてたことも知りませんでした。
おおざっぱな印象でどちらも70年代〜80年代の映画なのかなとか思ってたのですが自己弁護。両作とも映画の佇まいは10年代に制作されたと言われなきゃわからないそれだったのでオレは間違ってない(きっぱり)!
事実、天使の処刑人上映後のトークで宇多丸さんも「ヌーベル・バーグっぽさ」について言及されてたし、と権威を笠に着る。
復讐捜査線もフィルム上映だったことが大きく影響して見栄えは完全に『オレが生まれる前の映画感』に溢れていましたし硬派なストーリーと演出の渋さもその印象を後押ししてます。
トークショーの内容でおもしろかったのは三宅隆太さんによる『ハイ・コンセプト』と『ソフトストーリー』論。
ハイ・コンセプトスケベなわたしとしましては三宅さんが指摘された通り『天使の処刑人』については正直乗りきれない部分がありました。上映前の「思ってたのと違う映画である」という一言がなかったらけっこう危なかったくらい。
しかしそれこそがソフトストーリーなのだ、という解説に目からうろこ。クリエイターの確固たるイメージありきで制作されるこれらソフトストーリー映画の危うさ、それは画作りから演出、ちょっとした小道具まで細い糸でつながっているそれらの要素が少しでもズレるだけでボロボロと崩れてしまう砂上の楼閣のごときもの。だからこそ、それらをしっかりとパッケージ出来た作品には豊潤な奥行きがあり、自分なりの解釈を与えようとしたり作り手の思いを忖度したりする楽しさに溢れているんですね。
三宅さんは「変なバイアスがかかってはいけない」と上映前に『天使の処刑人』の魅力についてはほとんど語られませんでしたのでわたしもここで具体的なことは書きませんが、今作はソフトストーリーものとして見事な一作でございました。
タマフル映画祭で上映された作品は4月14日までバルト9で一般上映されています。特に『復讐捜査線』はシネスコ&フィルム上映という最高の環境で観られますので劇場で観られるとよいでしょう。それも特別価格1200円ですって!
みんな、ぜひ劇場でウォッチしてくれよな!