シン・ゴジラ観てきました
さきほど観終わってまっすぐ帰宅。その間に考えたことを殴り書きするだけなのでまとまりもないし特に深みもない瞬間の感想です。
ながーいエンドロールを眺めている間にどんどん肯定的な感情が増えていきました。
エンドロールの長さはつまり広げた風呂敷の大きさと言えます。役者の数、スタッフの数、協力企業に関連機関の多さは眼を見張るものがあります。それだけ膨大な数の人々を巻き込んで小さくまとまらず大きな物語に仕立てた制作陣の姿勢にまずは大拍手ですよ! (実際、映画が終わった瞬間に劇場から拍手が巻き起こりました)
もちろん、その風呂敷の広げ方と畳み方をもってこの映画に批判的な物言いをする人もいることは想像に難くありません。あんなのゴジラじゃないという声も聞こえてきそうです。それもわかります! でも僕はそういう部分も含めてMJ風に言うならば「そこがいいんじゃない」と全肯定したくなる程度に好きでした。
映画のポスターに【現実(ニッポン)対 虚構(ゴジラ)】という文言がありますが、映画を観ると、それにも大いに合点がいきました。映画を観る前は「どっちかって言うと逆じゃね?」とアイロニカルに構えていましたが映画の中の日本はゴジラというフィクショナルな存在の周りでリアリティあふれる描き方をされていました。(リアルよりリアリティ!)
そりゃゴジラを自然災害や核兵器のメタファー、つまり虚構なんかではなく事実そこにある脅威、とする見方は百も承知ですがそれよりもただひたすら【想定外】のわけのわからない生物という劇中の出来事そのままとしてゴジラを受け止め、日本の権力機構や他国の政府がいかにそれに対応していくのかを追いかける方が単純に楽しいです。そうじゃなきゃあんな陳腐、なんだけど実際起こりうるから嫌になる政治的リアリティ・ショーは観てられません。
映画を観たら誰もが感じることですがとにかく情報量の多さがハンパじゃないです。一度観ただけですべてを把握できる人はいないでしょう。というか明らかに把握できないように意図して作られてます。つまるところそれはあのような状況に置かれた時の我々を疑似体験させるために他ならないわけで、だからこそ無理にすべてを理解しようとせずそのわけのわからなさこそを楽しむのが吉だと思いますね。
僕が観た回には劇場に外国の方もちらほらみかけたのですが絶対わけわかってないよな〜。英語のパートがところどころにあるのがかえって混乱を招いているような気すら笑 (演者の英語が拙かったというわけではない。むしろあそこまできっちり喋らせたのは偉い!)
きっとストーリーが完全につかめなくてもゴジラの新作だから観に来てたんだろうなと思うとゴジラって本当に偉大な映画スターだと思いますね。ただ、それを期待してくると結構な部分が会話劇に費やされているので肩透かしだったかもしれません。
冒頭に書いたようにほんとまとまりもなにもあったもんじゃない文章で恐縮ですが、とにかく勢いに任せてなにかを書いておこうという衝動に駆られる映画だったということです。そういうパワーがあります。
あ、最後に書いておきたいのはこの映画ちゃんと笑える箇所もあるのがいいですね。それも役者自体は真顔なんだけど編集の間とか展開の自然な流れで笑わせるいい笑いです。ここらへんのバランス感覚はちょっとアベンジャーズ的ですらありましたね。
ハリウッド版のゴジラを観て「本家の日本はなにをしてるんだ!」 と思った方、そんな方にこそぜひこのシン・ゴジラを観て溜飲を下げていただきたいと思います。
大変おもしろかったです!