The Gauntlet

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映画「ガントレット」 77年 米
監督:クリント・イーストウッド
主演:クリント・イーストウッド
   ソンドラ・ロック


ある日、刑事のショックリー(クリント・イーストウッド)にある事件の証人として出廷予定のガス・マリー(ソンドラ・ロック)という女の護送命令が下った。
しかしマリーは強硬にそれを拒み続ける。理由を聞くと「外に出ればわたしは確実に殺される」とのこと。
それでもショックリーは使命を果たすために無理矢理彼女を連れ出した。
すると果たして様々な危険が二人に襲いかかってくる。
一体誰が何の目的で…。ショックリーがその真相に気がついたとき彼の怒りは頂点に達した。


物語の構造はいわゆるオデュッセイア的、行って帰ってくるというはなし。
そしてその物語構造の最後、つまり主人公が帰ってくる最後の最後にガントレット 註)以下ウィキペディアより。

軍隊内での刑罰、あるいはアメリカの西部開拓時代における私刑の一つ。道の両側に棒や鞭を持った人々が立ち、その間を罪人に通らせて順番に殴っていく。力尽きず通り抜けられた者は罪を許される。


という要素を持ち出してくることによって話しに大きなクライマックスを作り出した。
と、こんな映画の構造分析はまさに取って付けたような話しだ。
言いたいことは一言、イーストウッドよ、おふざけが過ぎるぞ(笑)
上述したガントレットの現代的解釈然り、話しの中で幾度となく繰り返される敵からの攻撃然り、とにかく過剰。
その割にオーラスがものすごくチープというところも初期のイーストウッド映画には散見される悪癖。
まあかなり笑えますけど。エンターテインメントとしては上出来と言えるのはひいき目かな?
それにしても今作でヒロイン役を演じているソンドラ・ロック、以前に取り上げたブロンコ・ビリーでも素晴らしいツンデレを披露してくれましたが今回もかなりの好演。
特に中盤で二人が列車に飛び乗って…というくだりがあるのですが、その車内での文字通り体当たりの演技。これにはぶっちゃけ興奮しました。
時系列的には今作があっての、ブロンコ・ビリーなのですが、基本的なキャラ設定(気の強い、鼻持ちならない女)やイーストウッド演じる主人公との関係も
ほとんど同じという点は興味深い類似性。
当時、イーストウッドと交際していたということもあるし、イーストウッドの女性観、恋愛観を表しているのかも。