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The Yes Men

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映画「イエスメン」 03米
監督: Dan Ollman(ダン・オルマン)

イエスメンとはマイク・ボナーノとアンディ・ビックルバウムを中心としたグループ。一言で言えば、グローバル化に逆らうお笑いテロリスト。
反企業体制・反WTO(世界貿易機関)のメンバーたちが、世界各国で開催される企業カンファレンスに忍び込み、WTOの人間になりすましてワールドワイドに大暴れする。
from 松島・町山 未公開映画祭HP

混迷した現代社会。そんな生き馬の目を抜くような毎日を上司の言うことには決して逆らわず、和をもって尊しとなすをモットーに泥臭く渡り歩く。それがこの映画の主人公イエスメンだ!!
って、そんな主人公にはなかなか肩入れできませんね。
もちろん、この映画に登場するイエスメンはそんなキャラではありません。
彼らの行動原理はただ一つ、強きを挫き弱きを助けるなのですから。
ただし表面的にはまるで体制側のスポークスマンのように振る舞うのだからタチが悪い。
例えばジョージ・W・ブッシュが大統領戦を戦っているとき彼らはブッシュの応援をかってでました。
ブッシュ支持者の集会へ大きなトラックでブッシュ支持を訴えながら現れた彼らは、参加者にブッシュ支持の署名を頼みます。
参加者はみな快く署名をしますが、その署名に実はこう書かれているから大変。
「私はブッシュの政策を支持します。ですからイラク戦争に自分の子供を派遣します」
そう、彼らの本当の目的は相手側の主張を徹底的に誇張することでそのバカらしさを世に知らしめる、いわばほめ殺しのイエスメンなのです。


そんな彼らが今回ターゲットに選んだのがWTO。
全世界の自由な貿易促進を目的に掲げる団体ですが、その実、彼らの活動が一部の先進国によりたくさんの利益をもたらすことになってしまっていることも紛れもない事実。
そんな欺瞞に対してイエスメンは攻撃を仕掛けます。
まずはまるでWTOの公式ホームページそっくりの偽ホームページを作成。
すると面白いことにそれが嘘のページだと気がつかない人々から取材や講演の依頼が舞い込んでくるではありませんか。
これに目を付けた彼ら、その中からフィンランドで開催されるシンポジウムを舞台にとんでもない作戦を思いつきます。
その作戦とは、



と、誰がどう見てもふざけているとしか思えないこの衣装。まあふざけているのですが(笑)
驚くのはこの衣装を見てもシンポジウムの参加者は、彼らの正体を疑おうともしないこと。なんせこれで新聞にまで載ってしまうんですからね。


本編中では上記の作戦を含めて全部で3つのWTOいじりが展開されるのですが、いかんせん最初にこの金スーツが来てしまったため映画的な盛り上がりはこれ以降多少弱いのが玉に瑕。
しかし、この映画は僕たちにユーモアの持つ凄まじい力を見せつけてくれます。
何か巨大なものと戦うとき、怒りにまかせて相手を非難するだけが手段ではありません。
彼らがこの映画で見せてくれたようにそんな義憤すらも笑いに変えながら、なおかつ大きなダメージを負わせることだってできるのです。
笑っていられないような厳しい現実が覆う毎日だからこそ彼らの姿勢を見習っていきたいものです。