汗なんてかくな

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春が来たと思ってもなかなかすんなりとは暖かくならない昨今、みなさまにおかれてはいかがお過ごしでしょうか。
それでも厳冬の寒さを一応は超えていくぶんは活動的に気持ちと体が外へと向かっていく時期だと思います。
さらに例年の如く気が付いた頃には夏がその到来を高らかに告げますから、肌も露になるその前に何とかそれに見合った体型を手に入れなければと決意を固めている人も多いと思います。
そこでそのような方々は食事制限をしてみたり、いかがわしいサプリメントに手を出してみたり、巷に氾濫するダイエット法なるものを盲信したりして自らの目標を果たそうとするでしょう。
上記の方法が全て悪とは言いませんし、食事制限に関してはその針が極端に振れ過ぎなければとても健康的で好いと思います。
しかしながら矢張り体のためには適度な運動をすることが一番だと思います。
縮こまった神経や筋肉をしっかりほぐしてあげる。そして適度に筋肉をつけていけば線の整った綺麗な体型を手に入れることができるでしょう。
流れる汗はそれだけであなたに充実感を与えてくれて、それがまた健全な精神を育みます。
けれでもここで怖いのは頑張りすぎてしまうことです。
特に「やせたいからたくさん汗をかかなきゃ!」といった類の半ば迷信に近い知識を信じて必死に汗をかこうとする人の多さには驚きます。
人間はホメオスタシス(恒常性維持機能)によって暑ければ汗をかいて体温上昇を防ぎ、寒ければ体を震えさせることによって体温を上げようとします。
つまり汗は必要な分だけかけばいいのであって、自分からわざわざ不必要な分量を消費する必要はありません。
そして汗をいくらかいても根本的な減量には繋がりません。
失った水分は結局補給することによってもとに戻ります。もし水分補給をしなければ人間は充分な活動すらできなくなります。
冷静に考えればすぐにでも判りそうなことですが、それでもこんなイメージが蔓延しているのにはひょっとするとボクサーの減量風景が影響しているのかもしれませんね。
わずか数グラムのために涙をのむ人もいるそうですから、1グラムでも搾り出そうと水分を控えることは無理もないことかもしれません。
しかしそれはそこまで切迫しているからこその行為なわけで、体にとっては大きな負荷に違いありません。
減量というものを端的にいってしまえばそれは摂取したエネルギーに対して消費したエネルギーの量を多くするということです。
つまり運動時に本来気にすべきことは流した汗の量ではなく燃やしたエネルギー(Cal)の量なのです。
そしてそのために必要なことは長時間持続的に体を動かすことなのです。
そうであれば真夏の炎天下にサウナスーツを着込んで不快感に立ち向かうよりも、通気性のいいウェアに身を包んで自分を快適な状態に保つ方が好いに決まっています。
くれぐれもストイックと自己破壊を履き違えないで運動をして頂きたいものです。