#さんピン20

 

熊本は地震で地盤が緩んだところに大雨まで重なって土砂災害まで起こっているようですね。こういう時、自然というものの恐ろしさとままならなさを痛感します。

あと、ボクも反省しなければいけないのですが今回の地震は決して熊本だけに起きたわけではなく大分も被災していることを忘れないようにしないといけません。

大分への救援が足りていないという声も聞こえます。小さな声でもどこかに届くと信じて。もちろんボクも自分の出来る範囲で熊本・大分への支援続けたいと思います。

 

昨日の記事で日本語ラップについて触れたその翌日にスゴイ一報が入ってきましたので触れておきます。

 

さんピンCAMPが20年ぶりに開催されることが発表されました。

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さんピンCAMPって? という人は興味あればググッていただくとして、本当にいま日本語ラップが何度目かの盛り上がりを見せているんだなと実感しますね。

おそらく2000年の前後2〜3年が日本のヒップホップとヒットチャートがもっとも緊密な関係を築いた時期とは言えるんでしょうけど、それがいわゆるヒップホップ好きのリスナーから好意的な目で見られていたかというと、そうとは言えないのも事実。ボクはそういう閉鎖的な見方が結局シーンを盛り上げきれなかったんじゃないかなと思うし、もっとうまく利用することはできなかったのかなとも感じていました。

 

でもそれから10年以上経過したいま、コアなファンもライトなリスナーも、それから流行りものが好きな大衆一般もが同時に日本語ラップを楽しんでいる状況ができつつあるのを目の当たりにすると、急がばまわれだったかもしれないと違う考えも浮かんできます。

そして今回のさんピンCAMP20の第一弾として出演がアナウンスされている面々がまさにこの10年を支えて盛り上げてきた最前線の人たちだというのがまた感慨深いですね。もちろん詳しい人からすれば「じゃあアイツはどうしていない?」なんて声もあるのでしょうが、それは色々事情や考え方もあるでしょうし、第二弾に期待ってことかもしれないのでまずは次の発表を待ちましょう。

もちろん今回の発表を見てすべての日本語ラップ好きが抱いている『あのグループやあの人やこの人』もおそらく第二弾として出て来るでしょう。いや出てこないわけがない。

むしろこの次の10年を担う存在として誰をピックアップするのかに注目したいむきもあるのですがどうでしょうね。

 

あとこの曲のような次なるクラシックが披露されれば言うことなしなんですけど、そこまで期待してもいいような気がするくらいいい感じがしています。

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震災と日本語ラップと

ランニング後のストレッチをしながらふと夜空を見たら、一面に張り出した薄い雲を透かして月明かりが漏れていましてね。これがおぼろ月夜ってやつかなと思って調べてみたらまさにその通りでちょっと嬉しくなりました。おぼろ月夜は春の季語なんですね。ズバリ今の季節だから観られる自然の美しさなのだと思うと気分がいいものです。

 

熊本を襲った地震からもうすぐ一週間が経ちます。

少しづつではありますが救援物資も届き始めたり、コンビニなども営業を再開したりと明るい話題も聞こえてきましたね。

著名人が率先して広く支援を呼びかけたり、なかには被災地へ直接赴く人もいたりなど被災地へのバックアップも日増しに強くなってきました。

そこでボクが気になるのは日本のヒップホップアーティスト達の動きです。

と言うのも東日本大震災の直後は日本語ラップの動きが活発だった割に、今回はあまりそのような話を聞かないから。これはただボクの粗い網目のせいもあるかもしれませんがね。

 

ボクが知るかぎり東日本大震災のあと一番早く音源をネットへ上げたのはHAIIRO DE ROSSIで、確かあの震災の翌日には『PRAY FOR JAPAN』を発表してたと思います。

そしてその後に発表されたのがこの曲でした。

 

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これ、ランニング中にシャッフルで音楽流している時にたまに流れてくるのですが、いまだに聴くと背筋が伸びるというかピリッとした緊張感を覚えます。中でもPUNPEEのバースでしょうか。普段の彼からするとかなり感情的なラップがいかに当時のわれわれ多くの人が同じようにエモーショナルだったかを露わにしています。

あの時のことは思い出したくないという人も大勢いらっしゃるでしょう。その感情はよくわかります。でもボクはたまにシャッフルで流れてくるこの曲とまるで出合い頭に衝突することでなにか自分の中でバランスを取っているような気がします。あの時に感じたこと、考えたことをボクは忘れたくないですから。

 

これらの曲が多くの収益を生みそれが義援金として被災地へ流れたとかそういうわけではありません(多分)。むしろどちらもフリー音源、つまりメッセージを届ける媒体としてまだ混乱の最中にある世の中に公開されたものです。

まさにボクは当時これらの音楽を聴いてとても助けられましたね。安っぽい言葉かもしれませんがひとりじゃないと思えました。

同時にヒップホップという音楽の魅力を改めて感じるきっかけにもなりました。出来事への即座の反応にはうってつけのフォーマットだということ。そして言葉数多くメッセージをビビッドに表現できるラップという手法がその出来事を記録するドキュメントとしてとても効果を持つということです。

 

だからこそ今回は日本語ラップから熊本を盛り上げる一発が出てきていないのがちょっと残念というか、にわかに日本語ラップ周辺が盛り上がっている今だからこそぜひ強力なやつを期待したいところです。

 

 

Maxwellとよると

 

最近はもっぱらMaxwellと夜を過ごしてます。

ついに発表された新曲。待った甲斐があるってもんです。

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それに影響されて前作『BLACKsummer'snight』も聴き返してますが、やっぱたまりませんな。

思えばこれが出たのが2009年ですか。あの時は翌年にblackSUUMER'Snightを出してその次の年にはblacksummer'sNIGHTを出すって話もあったのに。気がつけばすっかり2016年。

いいアルバムを期待。

 

 

Blacksummers'Night

Blacksummers'Night

 

 

 

伊集院光とらじおとのスマホアプリ『伊集院光とらじおとスマホと』が尖りまくってる #ij954

伊集院光さんが今月から新しく始めたラジオの朝ワイド『伊集院光とらじおと』がおもしろいなぁと思いましてね。伊集院光さんの話がおもしろいのは誰もが知ってることなので、そのおもしろさについてではなく、番組の姿勢というか狙いがおもしろい(興味深い)なあということなんですが。

この番組、帯で月から金までやっている(伊集院さんは木曜日まで)ことを活かしてリスナーからの投稿を募るメッセージテーマを一週間同じにしてるんですよ。

これによっていまやラジオ番組では当たり前のEメール投稿だけでなく、ゆっくりとはがきや封書でのメッセージでも番組に参加できるようにという配慮がされています。これ、おそらくは前番組の『ゆうゆうワイド』を愛聴していた方がメールよりははがきなどでの投稿に親しんでいたであろうことに対する配慮だと思います。

と同時にこれは伊集院光さんが主戦場として長年やってきた深夜ラジオのファンへの配慮でもありますね。

ラジオの生番組でメッセージを投稿するとなるとどうしても瞬発力が勝負になりますが、じっくりネタを作りたい人、おそらく深夜ラジオのコアリスナー、にとってはそれでは不完全燃焼感あるでしょうからね。そもそもリアルタイムで聴けない人も一週間同じテーマなら時間をみつけて投稿できますし。

いままでの朝ワイドリスナーも伊集院光さんのファンもどちらにとっても非常によいシステムなんですよ、これ。

 

そして、今日の番組を聴いて伊集院光さんがいかにリスナーからのメッセージを番組一番の優先事項としているのかを思い知らされました。

番組としてオフィシャルのスマホアプリを作ったそうで、それだけならそこまで驚くことでもないのですが、なんとこのアプリは番組へのメッセージ投稿に特化したものらしいんです。

lineblog.me

 

一度登録するとラジオネームやら連絡先やら投稿に際しての必要事項を何度も書く必要がなくなるという機能があるそうで、これって頻繁に投稿する人以外にはほんとなんの魅力もないんですけど、投稿する人にはたまらんアプリなんだろうな。尖ってるな〜笑

 

伊集院光とらじおとスマホと

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今週はラジオの聴取率調査週間で多くの番組が楽しい企画やゲスト目白押しのスペシャル編成です。普段あまりラジオを聞かない人もよければ聴いてみてください!

このアプリがあればスマホでも簡単に聴けますよ。

radiko.jp

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超フレッシュ! ケビン・ベーコン主演最新作『コップ・カー』 でもベーコン映画というよりは……。

熊本の地震はまだまだ予断を許さない状況ですね。

3.11の時と似たように悪質なデマも出たようです。デマの発信源になるような人を根絶するのは容易ではないので、受け手である大多数がデマに振り回されないよう注意を強めるのが大切です。
5年前の教訓を活かしてこそ災害をただの悲劇として終わらせるのではなく未来へ繋げられるのだと思います。
不安な気持ちも、何も出来ない焦燥感もあなただけが感じているわけではないと思いますよ。その時が来るまでじっとこらえて待つことも立派な支援と気持ちを切り替えていきましょう。
 

昨日書いた『スポットライト』の記事中でボクはこの映画を仕事もの映画というくくりで紹介しました。これはあくまで個人的なくくり方かもしれませんが、世の中には様々なジャンルが存在することは事実です。
『アクション』『ロマンス』『コメディ』と言った包括的なものから『ゾンビ映画』『ギャング映画』など具体的に内容が絞られたものまで。それこそジャンル映画にはそのジャンル特有の様式美とも言える展開や演出があってそれを楽しむのもまた一興です。
そんな中、一部の好事家から立派なジャンルとして名前を冠せられている俳優がいます。その俳優とはケビン・ベーコン。ひとは彼が出る映画をこう呼ぶのです。『ベーコン映画』と。
 
 
現在公開中の映画『コップ・カー』はそんなベーコン映画ファンをして「ベーコン史上最高のベーコン」とすら評されるほどの作品。
そこまで言われては観ずにおけるかということで行ってまいりました。ちなみに個人的にお気に入りのベーコン映画は『狼の死刑宣告』です。
 
 
映画の舞台はアメリカの片田舎。荒涼とした大地をふたりの少年が歩いているところから始まります。彼らは家出の真っ最中に誰もいない雑木林に停まるパトカーを見つけます。初めは家出を咎められる心配をするふたりですが周りに人の気配はなく興味本位でパトカーに近づくとドアには鍵がかかっておらず車内にはキーまで残っていて……。
と、このように出だしからしばらくは少年ふたりの話が続き「あれ? ベーコンは?」と肩透かしを喰らう展開に戸惑いますが、お待たせしました! ついに出てきたベーコンは見た目からして悪役臭プンプンの垂れサン&マスタッシュ。なるほど今回はブラックベーコンなのねと思う間もなくパトカーのトランクから死体を運び出すベーコン。ブラックはブラックでもドス黒ベーコンの登場に思わずガッツポーズも束の間、少年たちが盗んだパトカーが実はベーコンのものだったからさあ大変! とここから物語が展開していきます。

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*キャプチャ画像は『コップ・カー』オフィシャルサイトより。 
 
 
この作品、ベーコン映画として高評価なことに異論はなくボクも充分楽しめたのですが、そこだけにフォーカスを合わせて観るのはちょっと違う気がしましたね。
冒頭で触れたジャンルでいうとこの映画は完全に『ジュブナイル』ですし、むしろそのジャンルの代名詞として幅広い層から指示される可能性を秘めた普遍的な良さがある映画だと思います。
その点でも真の主役と言える少年ふたりはとても良かったですね。

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 *キャプチャ画像は『コップ・カー』オフィシャルサイトより。 
 
威勢の良さと裏腹に寂しさを抱えたトラヴィスとセンシティブでありながら芯の強さを持ち合わせたハリソン。互いに互いを補完する存在としてとても良いコンビでした。
語弊があるのは承知で言うと、このふたりの関係性や結末に残った少々センチメンタルな後味まで含めてボクが思い出したのはこの映画でした。
 これ、映画として似ているとかそういうのでは全く無いですし、ケヴィン・コスナー的な人物が出て来ることはおろか大人は信用の置けない相手としてしか登場しないんですけどね。
ただ何というか少年の中でも特にハリソンの視点から観てボクは終盤にググッと『パーフェクトワールド』におけるフィリップ少年が重なって見えたんですね。
 誰かに守られる立場だったり、周りに手を引かれることをただ受け入れていた少年が自らの意思と勇気を手に入れる話と考えると余計にそう感じます。
 
監督のジョン・ワッツの手腕も大きいですよね。よく子役をうまく使える監督は良い監督という評価を聞きますけど、その点から言って彼の実力の高さがハッキリしたのではないでしょうか。
新シリーズとして制作される『スパイダーマン』の監督を務めることも決まっていますし今後が楽しみな監督の作品としてもいまのうちにチェックしておくのが吉。
 
ただのベーコン映画には収まらない掘り出し物の良作でした。
 

 

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燃えるお仕事ムービーの傑作! 『スポットライト』

スギとヒノキの薬って違うものなのでしょうか……。続・花粉の話。

ちょっと検索した限りでは「基本的にアレルギー反応に対する薬だからどちらも変わらない」という意見が大半なのですが明らかにここ1週間で鼻水の量が尋常じゃありません。おしえて詳しい人!

 

今日は映画を観てきました。今年のオスカーで作品賞・脚本賞を受賞した『スポットライト』です。


映画『スポットライト 世紀のスクープ』予告編

 

題材となったキリスト教会による児童虐待と、それを隠蔽したバチカンのスキャンダルについては数年前に『フロム・イーブル 〜バチカンを震撼させた悪魔の神父〜』というドキュメンタリー映画を見てその実態を知りました。

ちなみにその時の感想はこちら。

zuihitsu20.hatenablog.com

 

『スポットライト』を観てこの事件に興味が湧いた人はぜひこちらも合わせてご覧になるといいと思います。

 

ボストンが舞台と言うと近年は『マフィアもの』『犯罪もの』が幅を利かせていますが今回は『仕事もの』映画であからさまにこわ〜い人たちが出て来ることはなかったのですが、よく考えると【善】の皮を被り悪事を働いていた神父たちのほうがよっぽど非道で恐ろしい存在だとも言えますね。

そういう意味ではこの映画も『犯罪もの』なのかもしれませんが、ボクはこの映画のお仕事シーンがとにかく好きだったので『仕事もの』ということで進め(勧め)ます。

 

『仕事もの』と一口に言ってもそれが取り上げる職種はさまざまありますよね。

最近の作品ならアン・ハサウェイとデ・ニーロの『マイ・インターン』は新興Eコマース企業のイマドキな職場環境が垣間見える楽しさがあったし、同じくアン・ハサウェイ案件で言えば『プラダを着た悪魔』なんかはその逆で見た目の華やかさの割にハード過ぎるファッション雑誌の編集のお仕事の様子が興味深かったです。

いま例に上げたものはもちろんほんの一部に過ぎないわけですが、世に数多あるお仕事映画の中でもボクが特に好きなのが今回『スポットライト』で主役となった事件記者を扱ったものなんです。

具体的に言うと記者が嫌がる対象に取材をするため、もしくは貴重な資料や情報を得るためにやや強引な手を使う描写とか、膨大な資料をまとめる描写(壁に貼られた模造紙に付箋を貼り付けて情報整理)とか人の話を聴きながら手許のメモに殴り書きする描写とかを観ると、語弊があるかもしれませんがたまらない快感を感じます。有り体に言えばオーガズム。脳内はもはや梨汁ブッシャーです。

 

今作はその観点から評価してもかなりの傑作と言えるでしょう。群像劇を見事な構成で捌いた脚本や演技のアンサンブルも素晴らしかった。でもボクにはマーク・ラファロが秘書の目を盗んで勝手に取材対象者の部屋に入り込むところや、レイチェル・マクアダムスが電話で話をしながら付箋にメモをするところ、さらに地下の資料室で調べ物をしているブライアン・ダーシー・ジェームズのところに来たマイケル・キートンがその資料の重要性に気が付いて「それ全部上に運べ」と言ったときなんて、これからその資料をみんなで調べて情報まとめていくんだな! と考えたら興奮が止まりませんでした。

 

ここまで書いて、これを読んだ人が映画に行きたくなるか心配なのですが……アカデミー作品賞の看板は伊達じゃありません。それだけは保証します。

 

最後にもしボクと同じようなところに快感を覚える人がいましたらロバート・レッドフォード主演の『ランナウェイ/逃亡者』もぜひご覧になるといいと思います。

 

それではまた。

 

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