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今年の10本 5位〜1位

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前回に引き続いて今年劇場で見た映画から自分なりのランキング、今回は5位から1位までを作成してみました。参考になれば幸いです。


とその前にランキングには入れませんでしたが他にも見てよかった、見てほしいという映画を並べておきます。


・ポエトリー アグネスの詩 監督:イ・チャンドン
人生はビギナーズ 監督:マイク・ミルズ
ファミリー・ツリー 監督:アレクサンダー・ペイン
・死刑弁護人 監督:齊藤潤一
苦役列車 監督:山下敦弘
ディクテーター 身元不明でニューヨーク 監督:ラリー・チャールズ
・トガニ 幼き瞳の告発 監督:ファン・ドンヒョク
アウトレイジ ビヨンド 監督:北野武
・アルゴ 監督:ベン・アフレック
ザ・レイド 監督:ギャレス・エバンス
黄金を抱いて翔べ 監督:井筒和幸
スカイフォール 監督:サム・メンデス
・高地戦 監督:チャン・フン


それでは5位から発表していきます。


5位 サニー 永遠の仲間たち



誰しもにある忘れてしまいたいほどみじめな過去と絶対に忘れたくない思い出。
そんな愛憎入り交じる青春へのノスタルジー起動装置。
でもこの映画はそれだけじゃない。青春は死ぬまで続く。こちらが続けようとさえ思えば。そんなことも教えてくれるのです。
男とか女とかそんなの関係ない。サニーは永遠に不滅です!
あいつらにまた会いたい!


4位 おとなのけんか



おもしろいという言葉がピタリと来る映画は今年これ以上ないでしょう。
この映画を語る時に作品にまつわる文脈やごたくなんて一切必要なし。ただ見ろ。
まごうことなき一級のエンターテインメント。


3位 サウダーヂ



世界経済は合理と機械化を推し進めることでサウダーヂ(郷愁)をふるさとから奪い取っていく。その成れの果てを象徴する記号としての甲府。そしてそこで生活する若者とブラジルからの移民たち。
社会の底辺で生き残るために働いて働いて働いて、それで手にするものはいったい何なんだ?
そんな鬱屈や不満をあるものはストレートに吐き出す。またあるものはクスリの力を使って精神世界に入り込む。
社会に挑みかかる前者と社会を断絶する後者。
そのはざまでどこにもいけず、なんにもできずにもがく主人公がたどり着く場所はどこなのか?
4位のおとなのけんかが上映時間79分。対して上映時間が3時間もあるこの作品。
でもまったくダレない。いやむしろダラダラといつまでも見続けていたくなる不思議な感覚にとらわれる。
今年の音楽振り返りでも取り上げた田我流とはここで出会いました。彼が劇中で見せた圧巻のフリースタイルはラップミュージックに馴染みがなくても絶対に刺さる!それは言葉が生きているから。心の底から吐き出される表現にやられてください。
初公開は去年ですが、東京以外では今年上映で僕もようやく今年になって見られたので今年のランキングにいれています。


2位 SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者



ここまで来ると作品単体の評価というよりも自分の思い入れの強さが明確に反映された順位になってきます。
なぜなら僕の中でこの映画の中のあいつらは本当に生きているからですよっ!!
大阪公開初日、あいつらは僕の目の前に事実存在した!
マイティの魂のフリースタイルが僕に突き刺さったんだ!



とはいえ見たことのない方に同じ熱量を押し付けるのは無理な話なので客観的な視点からの説明を。
地方都市とそこに住む若者の葛藤を描くという点で3位のサウダーヂと共通した背景を持つのがサイタマノラッパーシリーズ。
前者がマクロ視点から社会全体にメッセージを表明しているのに対して、この作品は夢を持てとか、夢をあきらめるなというメッセージが良きこととして尊重される世間で、本当に夢を見ると早々に夢をあきらめて現実に組み込まれていく大多数の笑いものになるだけじゃねーかと社会を構成する1人ひとりに対してミクロな視点から告発します。
シリーズ3作目となる今回は初めて主人公が夢を見ている側ではなく、夢をあきらめて夢見る若者を搾取する側にまわっているところがミソ。
今作を語る上で外せないのはクライマックスの長まわしワンカットシーンでしょう。DVDの特典映像で舞台裏も見ましたが、あんな大変なことにあえてチャレンジする監督とスタッフのみなさんには鳴り止まない拍手を送りたいです。これこそがこの映画が伝える夢を見たっていいんだよ!という姿勢の体現ですよね。ほんと素晴らしい。
前作までを見ていなくても楽しめるとは思いますが、せめて第一作目だけは見ておくといいですよ。



1位 桐島、部活やめるってよ



この作品はどうしても言葉にして説明がしづらいと言うか、文章にして魅力を伝えるには自分の力量と思い入れの強さの間に絶望的な乖離しかありません。
だからと言ってこの映画について喋ってもうまくまとまらないし、まとまる気がしないですね。それくらいに語り尽くせない魅力がこの映画にはあるし、結局それは見た人それぞれの語り尽くせない自分をさらけ出すことになるからだと思います。
これ以上はどれだけ考えても無理だー。
純粋に映画としての完成度も圧倒的だと思いますよ。時間軸の動かし方。セリフではなく仕草や目線で語らせる演出。テレビドラマではなく、映画であることの必然性があります。
今年というか生涯ベスト。2012年は忘れられない年になりました。