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キュレーションの時代 〜「つながり」の情報革命が始まる〜

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curation【名】人力で情報を収集、整理、要約、公開(共有)すること。


一本の杭を想像して欲しい。
この杭はあなたが好きな場所に好きなように配置可能だ。
杭には穴が開いておりあなたはそこから外の様子を見ることができる。


もう一本別の杭を想像して欲しい。
こちらの杭はランダムに至る所に現れる。
この杭の中には既に別の誰かがいるが、まだ空間は余っており中の人はあなたを招き入れてくれる。
あなたは杭の中から外の世界を見ると同時に中の人にその世界を解説してもらえる。


端的に言って上記の例、前者がほんの数年前のウェブ世界で後者が今の世界である。
今回紹介する本の著者である佐々木俊尚さんの言葉を借りて言い換えれば前者が「視点」を与えるサービス、後者が「視座」を与えるサービスだ。


キュレーション(もしくはキュレーター)というのは主に美術館などで企画展を催す際、そのテーマに沿って作品を取りまとめ、それを編集することで全体として新たな価値や魅力を作り出すこと(もしくはその人)を指す言葉。
佐々木さんはこのキュレーションという用語を今のウェブ世界で現在進行形として起きている現象に転用することで言葉の持つ地平をさらに広げることに成功している。
なぜなら表紙のキュレーションという言葉からこの本を美術関係の本だと思い手にしたとしてもあながち間違いではないくらいに豊かなアートの話題の数々が気がつくと全て最新のウェブサービスやシステムの解説、さらにはそれを利用するこれからの生き方にまで波及していくという離れ業がこの本の中で行われているからだ。
ジョージ・A・ロメロのゾンビ、foursquareシャガールにThe Coca-Cola TV CF Chroniclesの話題が並列になったWEB社会論の本なんて一体誰が思いつく?


情報を収集するだけでなく、それらを編集し、さらに共有することで作られていくこれからの社会。
そのモデルケースとして見事な話題の横断と華麗な編集を披露してくれているこの本は豊かなソーシャルネットワークライフを迎えるためには必読の書と言えるだろう。


キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)