Jandeck on Corwood

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映画「ジャンデック 〜謎のミュージシャンの正体を追う〜」 03年 米
監督:Chad Freidrichs


テキサス州のアシッド・フォーク・シンガー、ジャンデック(ヤンデック)のドキュメンタリー。その経歴が謎に包まれたアーティスト、JANDEKの音楽の素晴らしさを、雑誌編集者やラジオDJの証言とともに伝えた作品。
from 松島・町山 未公開映画際HP


ヘロヘロのギターと蚊の泣くような声でまとまりのない言葉をつぶやく(歌うというよりは)孤高のミュージシャン、それがジャンデックだ。
彼の正体は長らく謎のままで、その謎性が彼をカルトな音楽家として一部の人々に支持させた。
初めは有名になりたいとか自己実現を図るためにという動機ではなく、生活の一部としてそれこそ呼吸をするかのように音楽を作る人なのかと思っていたがどうやらそれも違うみたい。
言ってしまえば自己演出が恐ろしく巧みだということだ。
そのこと自体が悪いわけでは一切無いが、彼の作品が持つアングラ感(これも含めて演出なのかもしれない)に対してその策略の完璧さに違和感を禁じ得なかった。
ナチュラル・ボーンな表現者ということであればダニエル・ジョンストンのドキュメンタリーにこそ、その神髄を見られるのではないかと期待が膨らんだので機会があればそちらを見てみようと思った次第。



ちなみにこちらがダニエル・ジョンストンの伝記映画。