Nursery University

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映画「ニューヨークお受験戦争 〜それは保育園から始まる〜」
監督:Marc H. Simon
   Matthew Makar


マンハッタンでは今、保育園お受験が熱い! 何ページにもわたる申し込み用紙、時間のかかる面接、4000ドルも支払うアドバイザー…。保育園お受験成功を目指して親たちが奮闘する姿を8ヶ月にわたって追ったドキュメンタリー。


子供なし、子供の頃に経験もなし、ということで僕には全く縁のない行事「お受験」
ご両親の愛情がまだ何も分からない、意志を持たない未就学児を望ましい未来ヘ歩ませようとする。
基本的に僕はこのお受験に悪い印象はない。
子供の意志とは無関係に、と言うけれどそもそも意志など持ち得ない子供達なのだから保護者である親が出来る限り理想的な条件下で育てたいと思うのは当然のこと。
そのために多額のお金を注ぎ込むのも愛情の証。
それじゃあ結局金持ちが言い教育を受けて金持ちであり続ける。貧乏はろくな教育が受けられず貧乏のままでいる仕組みが強化されていくだけじゃないかと思う向きもあるだろう。
僕もそう思っていた。
しかしアメリカの教育機関では企業が協賛してオークションによる教育費の支援策が講じられているのだ。
例えばピクサーがオフィス見学ツアーのチケットを無料で学校へ配る。
学校はそれをオークションに出して得たお金を奨学金として利用するといった具合だ。
もちろんそれらの恩恵に預かることができる人は少数かもしれない。
それでも出来る限りのチャンスを創出しようとする姿勢が素晴らしい。


人気のある保育園の限られた枠に入るには苦労が多い。
保護者面談では先生達に好印象を残すために自分を取り繕う必要があるし、申し込みの開始日には繋がらない回線にひたすら電話し続けなければならない。申し込みの定員に入れなければ受験する資格すらもらえないからだ。
そこまでして一体どうするのだ、と言ってしまえばそれで終わりだが、子供達が自分の意志で何かを決断できるその時まで、最良の環境を用意しておきたいと願うことに僕は抵抗を感じない。
沢山学んでおけば選択肢、可能性にも広がりが出ることは確かだ。
だからこそ、子供達が望み通りの道へ進まない決断をしたときには同じだけの愛情でその決断を支援して欲しいと思う。