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What would Jesus buy?

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映画「イエスのショッピング 〜買い物やめろ教会の伝導〜」 07'米
監督:Rob VanAlkemade


アメリカ最大のショッピングセンターに、突如乱入してくる奇抜な聖歌隊。その中心に立つのは、反消費活動家のビリー牧師。彼は聖歌隊を率いて、ウォルマート本部、スターバックス、そしてディズニーランドにまで果敢にアポなし突入を繰り返す。果たしてこの奇抜な集団が「不買」を訴える真意とは…?
from 松島・町山 未公開映画祭HP

真っ白なスーツにバッチリ決まった金髪を振り乱してアメリカ人のいきすぎた消費に警鐘を鳴らすビリー牧師。
買い物やめろ教会(church of stop shopping)から大勢の合唱隊を従えてショッピングモールやウォルマート、果てはスターバックスにまで押しかけて買い物禁止を呼びかける姿は狂気に満ちており人々からは嘲笑の的になるだけだ。
しかし、彼とその仲間が訴えかけるいきすぎた消費社会、そしてグローバル化という名の搾取は笑えない。
アメリカでは感謝祭後の金曜日からクリスマスまでの約一ヶ月間で年間の消費の大半を占める約5000億ドル(50兆円)もの金額が使われる。
市場に金が回って結構なことだと思うなかれ。
その多くはクレジット支払いで、誰も本当にお金なんて持ってやしない。そのあたりの闇については以前紹介したアメリカクレジット社会の闇を描いたドキュメンタリー「マックスト・アウト」に詳しい。
それでも人々は消費をやめない。何故か?いつしか高価なプレゼントを贈ることが愛情の確かめ合いになってしまったからだ。
「ちょっと待ってくれ」とビリー牧師は言う。「クリスマスはイエスの誕生を祝う日だろう。そしてそのイエスが生涯に一度だけ激怒したことがある。それは神聖な神殿で商いをしていた両替商達にだ。イエスが買い物なんて奨励すると思うのか?」
それでも人々は消費をやめない。何故か?そこに激安商品があるからだ。
いつの頃からか台頭し始めた大型モールやスーパーマーケット。感謝祭後ともなれば最新のゲーム機がタダ同然で売られたりする。
欲しいモノが安く手に入るなんてまことに結構なことじゃないか。
「ほんとうにそうだろうか」とビリー牧師は言う。「ウォルマートで安く販売される商品は一体どこで製造されている?彼らは一体どれだけの賃金で働かされているんだ。町の商店はどこもウォルマートに潰された。そして仕事を失った彼らが働くのは低賃金のウォルマートだ」
劇中、買い物やめろ伝導の旅に出たビリー牧師は旅先の小さな服屋でアメリカ製のセーターを購入する。
このシーンが彼の本当に言いたいことを全てあらわしているだろう。
買い物自体が悪だなんて言うならただの夢想家だが、消費することにもっと意識的になれというビリー牧師は立派な思想家だ。
と、言うわけで今年のクリスマスプレゼントはビリー牧師に倣って慎ましく済ませたいと思う。
ってもとからあげる相手もいないのだ。
おあとがよろしいようで。