悉皆成仏

このエントリーをはてなブックマークに追加

映画「禅 Zen」鑑賞。


監督:高橋判明
主演:中村勘太郎


公式サイト


曹洞宗の開祖道元の入宋から帰朝、そして入滅までを描いた物語。
映画としての完成度にはやや欠ける。
しかし仏教、もちろん禅宗の価値観や僧の作法などを知るにはうってつけ。
菩提になるためには只管打坐、ただ座るのですと説く道元の主張は実は革命的だが矢張り地味だ。
しかしそれが一つの、それも大きな宗派になったのだから坐禅の真理には奥深いものがあるのだろう。
中国に禅を伝えた達磨は坐禅に集中するあまり両足が壊死したというほどである。
味気なく科学的な見地からみるとどうやら瞑想の行き着く先には脳内麻薬であるエンドルフィンやドーパミンが大量に放出されるらしい。
肉体的な実践でその快感を得る宗教体験はだからこそ人々に生命の喜びを与えたのだろう。
信じる神や仏が違っても信仰心の根底にはそんな快楽が待っているのだろうか。
私も一度坐ってみるか。