これぞ慧眼

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物事ってのは見る角度によって見え方が変わるってのはよく知られたことなんだけれど、さらにそこから推察や他の物事との関連付けをするとこれまた見え方が変わるんだなぁと知った次第。
今月6日、民主党党首小沢一郎氏は国会議員45人(内一人は国民新党から)を引き連れて中国へ向かった。この訪中に対して政府はじめ自民党議員らはテロ特措法をめぐる国会が開かれている最中に多数の国会議員を送り出すかたちになった民主党に対して強い不快感を表明しました。ただし今回の訪中自体は9月頃からすでに予定が組まれていたものであるらしく、安倍前総理の突然の辞任による国会空転がもたらした今国会の延長がそもそもの問題である、という民主党の言い分の方に筋が通っていると言わざるを得ないでしょう。
と、大体ここまでが一般の報道で我々が知りうることなわけで、これをただ額面通り受け取るのであればいつものように与野党がお互いの揚げ足取りに終始しているなぁで終わる話なわけです。
しかしこの出来事に対して評論家の宮崎哲弥氏はこう解説をいれます。

要約
自民党は今回の民主党による訪中に本気で反対はしていない。仮に本気で反対であったならば止めることだってできた。ではなぜ口先だけでポーズをとり本気で反対していないのか?それは将来お仲間になる(大連立を含む政界再編)可能性があるからだ。つまり今回の訪中に隠された意図は小沢一郎がその気になればこれだけの人数を引き連れていくことができるのだという自民党、さらには民主党の内部の反小沢派への牽制になっている。

いやぁ、この解説には唸ったね。結局我々は小沢一郎の持つ力をまざまざと見せつけられたってわけだ。
それにしてもこの見識はすごい。もちろん宮崎氏は評論家として様々な事情通とも繋がりが深いぶん我々が知りえない情報を知っているのだろうけど、ここから僕達が学ばなければいけないのは目の前の風景から一歩進んだ世界へ思考力を飛躍させることでしょう。そうしないと僕達はいつまでたっても当局とマスメディアの垂れ流す彼らにとって都合のいい事実だけを食わされることになってしまう。メディアは嘘つきではないけれど、決して正直者でもないということを肝に銘じておきたい。彼らが彼らにとって都合の悪いことは伝えない(報道しない)というのは彼らの常套手段なのだからね。