2015年 劇場で観た映画10傑

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今年はランク付けの基準が明快で、深く染みこんでくる奥行きの深さを持った映画か、映画トータルとして穴とか至らなさがあったとしても「このシーンが好き!」と記憶に残る映画を選んだように思います。

 

一気にランキング発表。簡単なコメントは下に加えてます。

年末年始の鑑賞の参考になれば幸いです。

 

  1. はじまりのうた
  2. 22ジャンプストリート
  3. ミッション・インポッシブル:ローグネーション
  4. フォックスキャッチャー
  5. イミテーション・ゲーム
  6. クリード チャンプを継ぐ男
  7. 野火
  8. 海街diary
  9. ピッチ・パーフェクト2
  10. キングスマン

 

コメントは以下 

 

10位:キングスマン

 スパイ映画豊作の2015年の中でシリーズものでも過去のリメイクでもないオリジナル作品として見事に現代的なキャラクターをスパイに仕立てあげた偉い作品。

これはもうとにかくクライマックスの展開に尽きる! 誇大妄想爆発の映像は必見。


映画『キングスマン』本編映像

 

9位:ピッチ・パーフェクト2

前作『ピッチ・パーフェクト』がとにかく大好きで、その続編ともなれば恍惚と不安、二つ我にありという複雑な思いで観に行ったら、もう大満足! 物語としては『1』の方が圧倒的に良い、というか今回はストーリーは雑です笑

じゃあどこが大満足かと言えば大きくわけて2点。

・女の子たちの青春のきらめき描写。

物語上一切必要のない枕投げシーン、それもスロー再生、がある時点でエリザベス・バンクスはわかってる、と全幅の信頼を置きました。

 

・歌のシーン、特にRiff-Off

自分でも驚きですが『2』を観たあとは『1』の歌のシーンが全体に弱く感じてしまうくらいでした。特にRiff-Off。『2』ではテーマ縛りのルールに加えてビートも変えずに繋げるというルールを採用したのが大きかったですね。これによりバトルシーンの面白さが飛躍的に向上しました。

ラストのパフォーマンスの素晴らしさは言うまでもありません。

 


「ピッチ・パーフェクト2 」予告編

 

8位:海街diary

キャスティングの勝利、と言ってしまえば簡単ですが、誰が監督しても同じ結果だったかというとそうではないわけで。やはり是枝監督の手腕に唸らされるのでした。やっぱあの桜のシーンは今でも思い出しちゃうもんなぁ。


海街diary予告篇

 

7位:野火

観たあとに渋谷の街に投げ出されたわけですが、なんというかただ呆然としてしまって目の前の現実とスクリーンの光景が繋がらなかったわけです。あの戦争から70年。今自分がいる場所と戦場の距離以上の乖離を突きつけられる強烈な映画体験でした。

金はなくても工夫次第でこれだけのことができる! というスピリットにもぶっ飛ばされたなあ。


映画『野火』特報

 

6位:クリード チャンプを継ぐ男

ボクはオリジナルの『ロッキー』におけるフィラデルフィア美術館の歓喜の瞬間に今作がどのように回答するのか、その一点に照準を合わせていました。

その点についてのボクの評価がこの順位に表れています。

bum(チンピラ)と呼ばれたロッキーが街を見下ろす荘厳な美術館へ駆け上がり拳を突き上げたのに対し、square(真面目)と呼ばれる主人公アドニスはどこで拳を突き上げるのか?! あのシーンで高まりすぎてほんと涙が出そうになりました。

この映画は『ロッキーシリーズ』の続編ではなく、『ロッキーシリーズ』がこの映画の偉大過ぎる前日譚だったとすら思えました。

あと、スタローンに助演男優賞あげてほしいくらい最高でした。


『クリード チャンプを継ぐ男』公開記念特別映像

 

5位:イミテーション・ゲーム

 時代に翻弄されるとはこういうことなんだなぁと。いくら非凡な才能を持っていたとしてもそれを理解したり許容したりしてくれる人や社会がないと不幸でしかない。

その中で信念を貫き通す強さと孤独に苛まれる脆さを見事に演じきったカンバーバッチが素晴らしかった。

 


映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』予告編

 

4位:フォックスキャッチャー

全編にわたるヒリヒリした緊張感と「笑うところか?」と困惑を誘う演出の妙にズブズブとのめり込んでいく快感。多額の金で大量の爆薬を仕込まずとも銃弾一発で観客を打ち抜けることを証明した。

ロケーションの美しさが最後には残酷な景色に変わっている。同じものがまったく別の顔を見せる。こういうのをボクは見たいんだ!!


『フォックスキャッチャー』映画オリジナル予告編

 

3位:ミッション・インポッシブル ローグネーション

見終わって最初の感想は「まさかゴースト・プロトコル超えてくる??」でした。それくら前作がまず良かった。で、その前作をそれも大幅に超えてきたわけで、そんな映画最高に決まってる!

見応えたっぷりのシーンの連続、その中でもバイクのチェイスシーンは屈指の出来だと思いました。アクション映画の多くがお決まりの展開として挟み込んでくるチェイスシーンにまさか今さらこんなフレッシュで手に汗握る感覚を得られるなんて。

思えば監督のクリストファー・マッカリーは同じくトム・クルーズと組んだ『アウトロー』でも出色の出来のカーチェイスシーンを作り上げていたわけで、これはもうこの人のセンスの良さなんでしょうね。

次回作も同じ組み合わせ、ヒロインも続投するって報道もあったし、本当ならさらにこれを超えてくるミッション・インポッシブルも期待できそう!!


『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』トム・クルーズの凄さが分かる!メイキング映像

 

2位:22ジャンプストリート

前作『21ジャンプストリート』がDVDスルーの憂き目にあい、続編の『22〜』もどれだけ本国アメリカで大ヒットしたところで同じ末路を辿るだろうと諦めていたところに、新宿の良心・シネマカリテが特別上映してくれたおかげで無事大きなスクリーンで大勢の人と一緒にゲラゲラ笑いながら観ることができました。

これについてはとにかく笑った。映画でこんなに笑ったことあるかなっていうくらい笑って、その笑いの量に尽きます。

チャニング・テイタムはこのシリーズに出会って覚醒。セス・ローゲンジェームズ・フランコの『ディス・イズ・ジ・エンド』ではカメオ出演で全部持ってくし、マジック・マイクの続編も明らかに1作目からテイストを変えたブロマンス的な要素を取り入れて突き抜けた感がありました。

そして絶対に外せないのはアイス・キューブですよ! 出たシーンでは絶対に外さない爆発力で腹筋が崩壊しました。ストレイト・アウタ・コンプトン見ても、後にこの映画があること考えると微笑ましくすらありました笑

 


Blu-ray&DVD『22ジャンプストリート』 発売中

 

1位:はじまりのうた

ダメ男のワンスアゲイン映画という切り口でも、傷心女性の再生物語という切り口でも、そのふたりが限りなく恋愛に近い感情を共有しながら友情を育むドラマという切り口でも、音楽映画という切り口でも、とにかくあらゆる角度から何度でも楽しめる間口の広さと敷居の低さを兼ね備えた映画。

主人公のふたり(マーク・ラファロキーラ・ナイトレイ)がイヤフォンをスプリッターで分けて同じ曲を聴きながらNYの街を歩き回るシークエンスがまぶしすぎてまぶしすぎて。映画の世界にこんなに憧れたことは今までにないよ! 帰り道に買ったスプリッター、まだ封を開けてないオレって・・・。でもいつか絶対オレも同じことするんだ!!

劇中の音楽もいい曲揃いで、それを演奏している彼らがおしなべて楽しそうなのもたまんないんだよ! サントラは今年一番聴いたよ! 

こうやって思い出すだけでも、またあの世界に飛び込みたくなってきてしまって大変。どっかで再上映してくれないかなぁ。と、ここまで書いてしばらく経って調べたら特集上映で再演するとこ発見! もちろん観に行くんだ〜!

 


映画『はじまりのうた』アダム・レヴィーン(マルーン5)特別ミュージッククリップ