今年観た映画 10位から6位
2014年これまでに劇場で観た映画は97本。(そのうち1本はオリジナルのゴジラ再上映)
あとは年末までに『ホビット』『ベイマックス』は見ると思うのでそれは除外しての今年好きだった映画10本を並べます。暇な時に見る映画のガイドにでもなれば幸いです。
10位『ニンフォマニアック vol.1 & vol.2』
監督:ラース・フォン・トリアー
ニンフォマニアック - 映画予告編R18+(18歳未満は見ちゃダメ) - YouTube
「色情狂」のタイトルが示す通りひとりの女(シャルロット・ゲンズブール)が自身の性遍歴についてひたすら語り倒す映画。
内容の過激さとあけすけな描写もさることながら、聞き手である男(ステラン・スカルスガルド)がその話をいちいち大まじめに捉えて分析するところが笑える。
世俗的で下衆な話をなんとか高尚なものに置き換えようとする彼の文学活動。その文学性をそのまま映像で表現するとこうなります、という新手のコメディにすら思えてきがつけば爆笑。
なにかと暗い映画でお馴染みのラース・フォン・トリアー作では異色の一本。
9位『ジャージー・ボーイズ』
監督:クリント・イーストウッド
主演:ジョン・ロイド・ヤング
見終わった帰り道に鼻歌が止まらなくなる映画。その点ではここに『舞妓はレディ』が来てもいいのだけれど、僕はもちろんイーストウッド御大が最優先。
もともとブロードウェイで人気のあった作品の映画化であり実在のグループ『フォーシーズンズ』の自伝的映画ということで、いくらでも予習はできたのだけれど、僕ぐらい不勉強になると、そんなことはせず丸腰でsit back and relax。
でもそのおかげで全力で映画を楽しめたと思いますね。なんてったって出てくる曲の数々への反応がビビッドだもの。
「え!この曲って、そうなの?」の連続。
特にクライマックスで歌われるアレにはほんとに不意をつかれたなぁ。オリジナル・バージョンではないけれど、これまでにどれだけ聞いてきたかっていうド名曲がバーンッ!と、それも感情が高まりまくったタイミングで流れるわけですから。そら親指もビン立ちですよ。
さすがのイーストウッド御大。今回もお見事すぎる手腕でございました。
8位『WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜』
監督:矢口史靖
主演:染谷将太
映画『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』予告編 - YouTube
僕が思わず愛してしまう映画の種類に『またあいつらに会いたい!モノ』というのがあって、近年では『サニー 永遠の仲間たち』とか『恋の渦』なんかがそれに該当したわけですが、今年はこれ。
なんなら映画のその後のあいつらをなんのドラマもいらないので、ただ見ていたい。それくらい登場人物たちを愛してしまったわけです。一番はもちろん俺達の英明。
映画のスムースかつ雄弁な語り口もまた素晴らしかったですね。
主人公の勇気(染谷将太)が神去に行くことを決意するところとか、村での暮らしに順応したことを示す枕のくだりとか、与喜(伊藤英明)の山猿感が一発で伝わるトラック乗車のシーンなど、どれもセリフなんて一切ないのに強烈な説得力に満ちたシーンばかり。「ウマイ!」とジタバタしてしまうくらいスマートな演出にノックアウトでした。
7位『大統領の執事の涙』
監督:リー・ダニエルズ
主演:フォレスト・ウィテカー
アメリカのホワイトハウスで34年間、7人の大統領に使えた実在の執事の話をもとにした映画。
アメリカ現代史をひとりの人間の人生に照らし合わせながら語るという手法は、多少の年代の前後はあれど『フォレスト・ガンプ』と同じ。なのに映画が描き出す社会がまったく同じ時代と思えない。取りも直さずそれは描かれるのが白人のアメリカ史であるか黒人のそれであるかに大きく左右されている。
そしてこの映画はアメリカ近代史という大きなフレームを、白人の、それも最高権力者である大統領の執事として働く父と、それに反抗し反体制の過激派へと傾倒していく息子の相克に落とし込み物語を推進していく。
執事の仕事への矜持、弾圧される同胞への想い、そして息子への愛、その複雑すぎる感情を決して言葉にはせず、黙々と働く男の背中に涙腺が緩んだ。
6位『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』
監督:マーティン・スコセッシ
主演:レオナルド・ディカプリオ
映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』予告編 - YouTube
3時間あるんですけどね、なんていうか名場面のオンパレードであっという間なんですよ。
その中でも僕が一番好きなのはデカプーと相棒のジョナ・ヒル(この作品でアカデミー助演男優賞ノミネート!)のケンカシーン。もうここは腹抱えるくらい笑いました。すごいです。
全編にわたって酒飲みまくりの、ドラッグキメまくりの、セックスしまくりのってそんな映画なので万人にはおすすめしないですが、そういうのが好きな人なら間違いなく大好物。ていうか、好きな人はもう見てるか(笑)