Trance

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映画「トランス」
監督:ダニー・ボイル
主演:ジェームス・マカヴォイ



絵画盗難のドタバタの最中に失ってしまった記憶を催眠療法で取り戻しながら、どこかへ消えた画の行方を追いかけるというサスペンスかと思いきや、もうひとつの物語が突如並行して走ってくるというストーリーはまったく予期していなかった。
ただ、そのサイドストーリー(実際はこちらが途中からサスペンスの主軸になるのだけど)がこれでもかと思わせぶりに挟まれる演出には辟易。話を複雑にしようとこねくり回しすぎて、収拾がつかなくなったんじゃないかなぁ。サスペンスの醍醐味って複雑に絡まった糸が最後にスルスルと解けていく快感にあると思うのですが、この映画に関してはそのクライマックスが決定的にカタルシスに欠ける!だって終盤のあのネタ、普通に考えて気がつくでしょ。だって絶対とてつもない異臭放ってるはずだから!(おっと軽いネタバレ)
と、こんな感じに途中までは割りと興味の持続があるのですが、あるポイントからなんかこちらが置いてけぼりを食らうような感覚になってしまうところが残念でございました。


いいところも書いておくと、催眠療法士役のロザリオ・ドーソンが見せるある素晴らしい景色には思わず「おぉ…」と息が漏れたことは正直に記しておきます。あそこはすごかった。


そんな感じ。