祝当選、からのFeather Fine

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まるで古いアパートのピントがずれた白の壁紙にしみついた薄茶色のシミのように、何百年も前に西の悪い魔女が先祖にかけた末代まで解けない呪詛のように僕のくじ運の悪さは宿命的に僕から消えてなくなりそうもないと諦めていた。
漫画雑誌の懸賞に始まり、遠足のバスで行われるビンゴ大会にインスタントくじ、果ては当たりたくもない面倒な役回りには当たってしまうという逆ベクトルのくじ運の悪さと共にここまできた。
ランナーとしては日本市民マラソンの最高峰である東京マラソンには全て落選。当選倍率が10倍近くにもなるこの大会に出られると夢でも思った自分が悪いと落選のたびに自分で自分をなぐさめてあてもなく日々走っていたものだった。
そんな僕に吉報が届いたのは昨夜遅く。とはいっても神戸マラソンの当落が判明する日なんてことはすっかり忘れ、知人の「当たった!」メッセージで思い出す始末。さらにメールで届くはずのそれが僕のメールボックスには届いていない。
「ハズレフラグか・・・」となかば己の宿命が抱える業の深さに恐れを感じながら神戸マラソンのサイトからマイページへログイン(ここでも自分のパスワードがわからず再発行に手間取ること数分)そしていざページが開くとそこにあったのは小さく申し訳なさそうに存在する「当選」の文字だった。



まるで予期していなかった吉報に出会い頭に直面すると驚きや感動よりも感心が先立つものでしばらく当選の画面を「へぇ〜」とひとりごちながら他人事のように見つめてから就寝。
当選の喜びと興奮を持て余さずに自分のものにできたのは翌朝(つまり今朝)起きてからだ。
「これもひとえに雨の日も風の日もなんの目標も持たずともひたすらに走ってきた自分への贈り物だ」と僥倖に感謝しつつ気がつけばシューズ買ってました(笑)


前振りが長くなりましたが神戸マラソンに向けて新調したのがこいつ。
Feather Fine-slim by ASICS


アシックスの中級者用シューズの代名詞「ゲルフェザー」がリファインされて登場したのがこれ。その名も「フェザーファイン」
羽のように軽いフェザーがさらに(ちょっとだけ)軽くなり、なによりレギュラー・ワイド・スリムの3ウィズ展開でキタコレ!
見た目はオールドスクールでクラシックa.k.aダ○イシューズですが、このクラスのシューズでスリムを探すのはまだまだ困難を伴う現代社会においてスリムがでたと聞けば試さないわけにはいかん。
それにこのフェザーの数代前のシューズは何を隠そう僕が初マラソンで見事目標タイムを達成できたという相性のよさもありで密かに「当選したら買おう」と前々から決めていたのでした。


肝心の走り心地ですが、走り初めはもちろん履いた瞬間からフェザーの”あの”足裏にそっと寄り添う優しい接地感に思わず「戻って来てくれたのね」と想い続けた昔の恋人との久しぶりの逢瀬気分。
甲やつま先のフィット具合に比べてややかかとが甘いかな、と感じるときもありましたが履き方を改めたら無問題。
スピードを上げたときのドライブ感を楽しむにはややクッション感が強すぎるきらいはありますが、僕にとってはそのクッション感がなによりコンフォタボー。別にキロ4分切るような速度出さない(出せない)ですし。
それよりこれからロング練習をするようになればよりこいつの魅力が発揮されるはずという期待が大きく膨らみました。
サブ4狙いの人はもちろん3時間前半くらいの人でも本番用に考えてOKな一足です!


今日のラン。
距離:6.5キロ
時間:29分38秒
平均ペース:4.34 min/k