Kimjongilia

このエントリーをはてなブックマークに追加

映画「金正日花/キムジョンギリア」 09年 米・韓・仏
監督:N.C. Heikin


地球上で最も隔絶された国である北朝鮮の秘密のベールを取り払う作品。北朝鮮の刑務所を生き抜いた人々のインタビューやプロパガンダ映画の記録映像、日々の生活を描いたオリジナル映像もふんだんに盛り込んでいる。
from 松島・町山 未公開映画際HP


タイトルになっているキムジョンギリアとは花の名前。
ベゴニアの品種改良で金正日46歳の誕生日に日本から贈られたそうだ。


朝鮮民主主義人民共和国、その実態は謎だ。
この映画はそんな北朝鮮から脱けだした、いわゆる脱北者のインタビューを中心に構成されている。


登場する脱北者の中で印象的だったのはピアニストの男性。
彼が亡命を志したその根底には好きな曲を弾くことが許されなかったことへの抑圧があった。
なぜなら北朝鮮では彼らが言うところの”資本主義国家”の曲はタブーであり、金一族を讃える音楽のみ演奏することになっているからだ。
一歩間違えれば殺されてしまうかもしれない危険な賭け、それでも彼は国外への脱出を望んだ。
その根底に芸術への思いがあったことに心が震えた。


体制が崩壊して次は一体どうなるのか。
専門家によってシナリオは無数に考えられているが、どうか祖国を逃れた人が無事に家族のもとへ帰ることの出来るそんな国になってほしい。