The Dead Pool

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映画「ダーティハリー5」 88年 米
監督:バディ・ヴァン・ホーン
主演:クリント・イーストウッド


街の有名ギャングの親玉を検挙したことで一躍脚光を浴びたキャラハン(イーストウッド)は、しかしながら報復の嵐に遭っていた。
その一方でとある映画の撮影現場では有名な歌手が殺される事件が発生。
その後も有名人が続々と殺されていくが、その被害者には最初の殺人があった映画の監督が仲間内で興じていた死亡予想というゲームで名前が挙げられていたという共通点があることがわかった。
そしてそのリストにはなんとキャラハンの名前まで。
監督の事件への関与に疑いをもつ警察は監督の連行を考えるが、その時また事件が発生する。
ギャング達の報復と奇妙な殺人犯からの死亡予告に挟まれるキャラハンは果たして生き残ることができるのか?



イーストウッドにとって最長になるシリーズもの、ダーティハリーも今回が最終回。
前作の4が映画全体に鬱屈とした空気を漂わせてハリーからクールネスを奪い取ってしまっていただけに今回の5ではさらに年老いたハリーの行く末を案じていましたが見事にカンバック!でした。
もう冒頭のアクションからしてこれぞハリーという見事さ。
そして今回はシリーズ完結作としてはあまりに挑戦的すぎる試みがなされていて痛快さは格別。
まず一つ目のトピックはハリーの相棒が中華系で、それだけであれば取り立てて騒ぐことでもないのですが、その中華系であるということがダーティハリーという映画の根幹を揺るがす事態を招きます。
それは犯人検挙に拳銃ではなくカンフーを用いたところ。
まさかダーティハリーでカンフーアクションを見る日が来るとは思いませんでした。
さらに彼はハリーの相棒としてついに最後まで死なずに済んだという記録を樹立。ポイントは相棒の助言を受け入れたところ、ですね。
もう一つはハリー自身の犯人との決着の付け方。
まさかハリーまでもがマグナムを捨ててアレを使うなんて。
シリーズのファンであれば必ず見たい伝統芸能にも近い数々のお約束を軽々とぶちこわして新たな次元へハリーを旅立たせて終わる今作は完結作にしてシリーズ最高傑作でした。
もちろんそれまでの積み重ねがあればこそのこの評価の高さですけどね。


ダーティハリー5 [DVD]

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このトレイラーを見たら斎藤先生辺りは確実に見たくなるでしょう。