In the Line of Fire

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映画 「ザ・シークレット・サービス」 93’ 米
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
主演:クリント・イーストウッド
出演:ジョン・マルコビッチ
   


ケネディ大統領暗殺を防げなかった。
そのことを悔いながらも未だ大統領の警護官として働くフランク(クリント・イーストウッド)はある日、通報によりとある男のアパートを捜索する。
そこには大統領の暗殺を示唆する数々の物証があり、そこからフランクと大統領暗殺を企む男との攻防が始まる。


イーストウッドが一人の役者としての役割に徹した一作。
驚きなのは当時ですでに還暦を過ぎていたイーストウッドが魅せるアクションの数々。
インタビューでも彼は出来るだけ自分がアクションをこなすようにしていると発言しているし、実際に「アイガー・サンクション」では彼自身がクライミングを行うなど、その徹底ぶりには舌を巻くばかりなのだけれど、まさかこの年になってもあそこまでこなしてみせるとは。頭の下がる思いです。
他にも劇中ではイーストウッドのピアノの腕前が堪能できたり、自分よりも二回りくらい年下の女性を華麗に口説いてみせたりと彼の魅力がたっぷり詰まっていてファンならば見逃せません。
物語のトピックとして一番面白かったのはジョン・マルコビッチ演じる犯人と警護官であるフランクとのあるやりとり。
ネタバレになるので詳しくは記しませんが、アメリカの光と影を見事に射貫くテーマが見る者を唸らせます。
大統領を守りたいと思う男と、大統領を殺したいと思う男の決して交わらない思惑が推進力となって最後まで一気に駆け抜ける良作。