セブンイレブンの仕事術

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読みました。


ビジネス書のカテゴリーなのかな?僕には珍しい分野の本。
友達の家の本棚に並んでいたのですが、これにはピタッと目が止まりました。
なぜか?
この本の著者である岩本浩治さんは前にここで紹介した、立ち食いそば屋ではありえないクオリティを保つ「いわもとQ」を設立した人で
この本の名前はそのいわもとQを特集した「タマフル」の中で耳にしていたからです。
そしてこの本、めちゃくちゃ面白いです。あまりに面白すぎて今読んでいる途中の「世に棲む日日」を置いて一気に読み終えました。
内容は岩本さんがセブンイレブンで過ごした7年間のタフな業務の回顧録的”フィクション”なのでその名の通り小説を読むような感覚で読めます。
サブタイトルに「一兵卒のビジネス戦記」とあるようにコンビニ業界の内幕はまさに戦場。
そしてそのお店を監督するOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)は店のオーナーやひとくせもふたくせもある従業員を指導して店頭という戦場で立派に戦えるように仕立て上げていきます。
イーストウッドの映画で言うと「ハートブレイク・リッジ」のよう。
でも大きく違うのは映画の中のイーストウッドはベテラン曹長で実力があったのに、この本の中の岩本さんは別の仕事から転職の身で暫くはバイトの子よりも仕事が出来ない人であるという点。
それでも実直に真面目に寸暇を惜しんで研鑽を重ねる内に周りの人の岩本さんを見る目が変わっていく。
この本で僕が一番感銘を受けたのは本気で向き合えば人は他人を変えることができるのだということと、誰でもきっかけを求めているのだということ。
ろくに挨拶もできないバイトの若者がどうしてハキハキと接客できるようになったのか?
コントロール不能で身だしなみさえ整わない店の店員達がみんな制服を着用するようになったのはなぜ?
こうすれば仕事は上手くいくとか、出来る人はこれをしてるみたいな直接的な実用書ではなく岩本さんの”本気”が詰まった読み物であることがこの本の魅力を増して、下らない実用書よりもよっぽど使える内容として読者に訴えかけてくる。
そんな本。
これを読んだら余計にいわもとQが好きになりました。こんな人が運営してればそりゃ信頼できるわ。


セブン-イレブンの仕事術

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