Blood Work

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映画「ブラッド・ワーク」 02年 米
監督:クリント・イーストウッド
主演:クリント・イーストウッド


マイクル・コナリーの小説「わが心臓の痛み」を原作にLAコンフィデンシャルブライアン・ヘルゲランドが脚本を担当。
元FBI捜査官のテリー・マッケーレブ(クリント・イーストウッド)は2年前のある事件の犯人を追いかけている途中に心臓発作に襲われて今は静かに暮らしている。
なんとか一命を取り留めたのはそんなマッケーレブに運良く心臓を提供してくれるドナーが見つかったからだ。
しかしその心臓の持ち主は強盗に襲われて命を落とした女性のものであることが、そのドナーの姉であるグラシエラ(ワンダ・デ・ジーザス)によって彼に知らされる。
「犯人を捜して欲しいの」
というグラシエラの願いを引き受けることにしたマッケーレブは捜査を開始するが、やがてこの事件は2年前の忌々しい事件と繋がっていく…。


見事なほどに好くできた物語。
過去の事件の謎が、その後の事件によって明らかになっていく過程、そしてその陰には捜査に携わる自分自身が不可抗力ながら関与しているという事実。
あらゆる点と点がふとしたことで一気に繋がっていくという後半のカタルシスが凄い。
心臓移植という倫理的、果ては哲学的な命題にさえなりそうなトピックもシリアスになりすぎないように、しかしながら誠実に描いているという構成も見事。
生きるということ、命の重みのようなことに思いを馳せたくなる映画。