Bronco Billy

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映画 「ブロンコ・ビリー」 80年 米
監督:クリント・イーストウッド
主演:クリント・イーストウッド
   ソンドラ・ロック


ブロンコ・ビリー(クリント・イーストウッド)は町から町へと移動しながらカウボーイショーで生計を立てている。
目下の悩みはショーの華である女性アシスタントに恵まれないこと。
今日もどこからか拾ってきた女性を相手にショーをするが大失敗。
結局すぐに逃げられてしまう始末。
さらには他の団員にももう半年給料を払えていない。
皆、団長のビリーを慕ってついてきてくれはするが行き詰まっているのが現状だ。
そんなある日、ブロンコ達はある町のはずれでショーを張る。
時を同じくして道の向かい側のモーテルには車のトラブルで仕方なく一晩を過ごすことになった夫婦が。
しかしこの夫婦、妻であるアントワネットはわがまま放題で夫は我慢の限界が。
次の朝、目が覚めると夫は修理の済んだ車で妻を置き去りにして去ってしまっていた。
仕方なくブロンコ達の世話になることになったアントワネット。
もちろんここでもわがまま放題のアントワネットは次の町に着いたらそのまま別れるはずだった。
しかし町のニューススタンドには自分の死亡記事が載っていて…。




この映画の白眉はアントワネットが女になるシーン。
幼い頃から親の愛情を受けられずに育ったアントワネットは金持ちの令嬢であることが災いしてかなり性格がねじ曲がっていた。
当然、貧乏旅一座と、その一座を率いる保守的で家父長的思考の強いビリーとウマが合うはずもない。
けれどやがて二人は結ばれるんですねー。
で、その次の朝、つまり一番スイートな瞬間の演技がたまらん。まさにツンデレの極致。
惚れた男に染まる女の可愛らしさったらない。
もうこのシーン見られただけで満足、ですが、他にもビリーが昔の奥さんとの破局について
「あいつは俺の親友と寝た。だから俺は彼女を撃ったんだ。でも親友は撃ってない。なぜならあいつは俺の親友だから」
って、これがお・と・こ・ですよ!という最高のボンクラ話もあって、
この映画は完全にある一部の人々を敵にまわすこと必至な男根主義的マッチョムービー。
でもそんな男こそ本当に惚れた女には女々しく執着してしまうという弱い面もしっかりと描いていて好感。
古き良きアメリカの文化と思想を、もしくは男たるものいかに振る舞わねばならぬかを味わいたいなら見逃し厳禁な一作でした。
かなり好きやわ。