旅路の果て

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吉川英治著「新・平家物語」読み終えました。
当時、週刊誌にて7年の歳月をかけて連載された超大作をわずか3ヶ月ほどで駆け抜けたわけで、味わい切れていない箇所も多々あることでしょうが、それでもひとまず読了した事実に大きな充実感を覚えています。


平清盛の幼少期から平家勃興、栄華の極み、源氏の反抗、平家凋落、源氏の成長そして頼朝の死まで、大きな河の流れの中に人間の業・欲・愛が吉川英治の豊潤な知識と感性によって著されているこの作品はその最後を一市井の民である薬師・麻鳥とその妻・蓬のささやかなやり取りに飾らせました。
そしてこの結末が本当に素晴らしかった。俗世を生きる人間にとっての幸せの一端がそこにはありました。


おそらくこれ以上の長編を読むことはないかと思いますが、先日偶然に出くわした古本市でこんなものを見つけてしまいました。



筆者が連載と平行して書いた梗概「筆間茶話」を集めた「随筆・新平家」
もう少しだけこの旅は続きそうです。