エナジードリンク品評会inシドニー


去年の6月アメリカはカリフォルニア州にて密やかにしかしとてつもない熱量で厳粛に執り行われたのがEDH(Energy Drink Hinpyoukai)です。
量・質ともに最凶を誇るアメリカのエナジードリンク達の競演に沸いた第一回目の品評会はおかげさまで大成功の内に幕を閉じました。詳細は以下のリンクから確認されたし。


第一回EDH(Energy Drink Hinpyoukai)


あれから早9ヶ月。季節はすっかり冬になりました。
しかし我々(一人ですが)品評委員会はまたとない機会を得たのです。
それは今が夏真っ盛りのシドニーへのSHUCCHOU(出張)
この他人のふんどしで相撲を取るスタイル、これぞlow budgetな小規模も小規模なイベントの生きる道。(ちなみに第一回も出張中)
かくして第二回目のEDHが真夏のシドニーにて行われる運びと相成りました。


一本目のエントリーは初日のランチを頂いたレストランで調達。
機内泊から早朝に現地入り、そこから間髪入れずに昼まで作業に勤しむというスケジュール的には最もエナジードリンクの摂取に適した僥倖を授かった品評委員会の私はお店のドリンク棚に並んだ数あるドリンクの中から迷うことなくそれを選びました。


エントリーNo.1: Mother


売り物として法律に従っているというのに缶に書かれたWarning(警告)の文字。素晴らしい!このエナジードリンクの真骨頂である過剰なboasting(大言壮語)感。缶の色も黒地に赤を基調としたdangerous臭プンプンの信頼できる一品。
お味はマウンテン・デューの系譜である適度な柑橘フレイヴァで外見の割に飲みやすい。
しかし効果はてきめん。五臓六腑にMotherの雫がこぼれ落ちる度に体中の血管がパンパンに膨れあがるのがわかります。
ちなみにこのMother、発売元はコカコーラ社で5年ほど前に第一作目をリリースしたところ評判は散々。
そこで追加の市場調査を行った上で彼らが下した決断はフレイヴァの変更とそれまでオーストラリアの市場では販売のなかった500ml缶によるエナジードリンクの販売。
これが見事に大ヒットで今やMotherはオーストラリアの市場でトップを狙う位置にまで成長しています。
さすがコカコーラ社といったところですね。


2本目のエントリーは出張2日目。
この日は早朝(AM5:20)より現地の社長とシドニーの街をモーニングラン。
しかしこの日は朝から飲まず食わず。さらに言えば昨晩ホテルに戻ってから(PM10:00頃)水分は一切取っていない状況。部屋のミニバーの水は高くて飲む気にならず、かといって外へ買いに行く気力もありませんでした。
誤算は続きます。なんとこの日は予想以上のハイペース(1キロ5分を切るくらい)で走行。さらに早朝とはいっても昼間には気温が40度にもなる真夏のシドニーで走れば吹き出す汗の量も尋常ではありません。
さらに予定していた距離を走りスタート地点まで戻ってくると社長の「もっと綺麗な景色を見て欲しい」というご厚意で最終的な走行距離は13キロほどを記録。
正直ラストの数キロは死亡寸前。リアルに糖分が枯渇して足がフラフラという状態。
振り絞った最後の笑顔で社長と別れを告げた私は大急ぎで近くの店へ駆け込みます。
そこで出会ったのが2本目のエントリーであるこちらでした。


エントリーNO.2: V


正直なところ見た目はこの業界の中ではびっくりするぐらい控えめの優等生タイプ。
名前もVというシンプルなもので委員会としては「やる気あんのか?」とその戦意を確認せざるを得ないものです。「この業界なめんなよ」と。
しかしひとたびプルタブを開けて中に詰まった液体をのどに流しこむと、体中が水分と糖分に飢えていたこともあったかもしれませんが、効きが半端ない!
後で調べてみるとなんとこのおぼっちゃんドリンクだと思われていたVが本国ではトップシェアではありませんか。
能ある鷹は爪を隠すと言うか、いやはやお見それいたしました。



最後のエントリーはレッド・ブル。
「そんなのなんも珍しくねーぞ」とお叱りの声も聞こえてきそうですが我々(一人ですが)品評委員会もまさかここまで来て日本でも手軽に飲めるレッド・ブルに貴重なテイスティングの機会を使おうなどとは思っておりませんでした。
しかし2日目の夜。この日は昨晩のように水分を補給できないという失態を避けるべくホテルの近くでコンビニを見つけて水を買おうと思いました。
そして、そこで私は見つけてしまったのです。


エントリーNO.3: Red Bull


レッド・ブル in da ビン!!
その昔、まだ私がいたいけな高校生だった頃、友人とその父上と共に車で1時間少々はかかる隣の県の某遊園地へ行ったことがあります。
その車中、友人の父上は高校生の私たちとコミュニケーションを図ろうとこんな質問を投げかけてきました。
「缶で飲むコーラ、ペットボトルで飲むコーラ、ビンで飲むコーラの中で一番コーラの美味さが引き立つのはどれだと思う?」
突然の質問に戸惑いながらも我々が出した答えは缶で飲むコーラ。
しかし友人の父上は待ってましたとばかりに得意満面な顔で「正解はビンで飲むコーラでした」と一言。
その後に友人の父上は理由を述べていたと記憶していますが内容は覚えておらず私の脳にインセプションされたのは「飲み物はビンで飲むのが一番美味い」ということだけ。
あれから早10年以上。そう、ここオーストラリアの地で私はレッド・ブルをビンで飲むという最高のシチュエーションに巡り会ったのです!
夜のうちに買ったレッドブルでしたがこの奇跡の飲み物をのどへ流し込むのは一仕事終えてからだと決めていた私は逸る気持ちを必死で抑えつけその日は就寝。
そして次の日全ての業務を無事に終えた私は一人ホテルの部屋で「お疲れさん、俺」と労をねぎらい祝杯をあげたのでした。


さて、気になる品評会の結果ですが今回も審議は揉めに揉めました(一人ですが)。
結論。
疲れた体に流し込めばどれも最高じゃ!
そして仕事の出来はやっぱり能力の問題!