Polarized 2極化していく世界で日本はどうする?


シドニーへの出張で興味深かったのは行きと帰りの飛行機。
JALを使用していったのですが、キャビンアテンダントがほとんど日本語を話すアジアの方々。
機内放送、食事のサーブなどすこしクセのある日本語ではありましたが業務には一切問題なし。
とうぜん英語はペラで問題なし。
JALと言えば昨年来、職員のリストラが話題になっていますが、要は賃金が比較的安く済むであろう若手やアジア諸国の日本語話者に雇用がシフトしているのかなといった印象を持ちました。
そして偶然にも今日のYahoo!トップに次の記事が。
以下全文引用。


日本の企業に就職を希望する留学生を対象にした「外国人留学生のためのジョブ・フェア」が12日、仙台市青葉区仙台国際センターで開かれる。国内の大学生は史上最悪の「就職氷河期」といわれる一方で、海外での事業拡大に備えた留学生の採用熱は高く、「売り手市場」の傾向が強まっている。

 フェアは東北大大学院経済学研究科国際交流支援室の主催で、合同企業説明会には42社が参加する。ホンダ、パナソニックなど新興国で売り上げ増を図る大手企業が顔をそろえ、来春卒業予定の留学生らとの個別相談に臨む。
 支援室によると、これまでの説明会参加企業はおおむね20〜30社。昨年は49社だったが、うち15社は国の事業による別枠で「実質的に今年が過去最多」という。
 円高を背景に海外展開を図る愛知県の自動車部品メーカーは2年連続で参加。「現地法人で活躍できる人材が枯渇している。現地採用は教育が難しく、日本の文化に理解ある留学生への期待は大きい」と説明する。
 海外での事業展開をにらみ、東北の中小企業も獲得に前向きだ。
 初参加の生産機械製造のマトロ(角田市)は2〜3年以内に中国・天津で合弁会社の設立を目指している。同社は「日本語で会話でき、現地で橋渡し役にもなれる理工系の中国人留学生を採用したい」と意気込む。
 初の海外進出を検討中のソフト開発のエム・エス・アイ(山形市)では既に留学経験のある中国、台湾出身者3人が働いている。前盛直人経営企画室長は「留学生は働く目的意識が日本人より高い。大学生全体の就職は厳しいが、留学生人気は自然な流れではないか」とみる。
 経済学研究科の末松和子准教授(異文化間教育)は「企業ニーズの高まりは留学生にとって追い風。産学官も新たな就職支援体制を整えるべきだ」と話している。
 フェアは午前10時〜午後6時で、参加無料。アジアを中心に留学生約300人が参加する見込み。企業の採用担当者と内定済みの留学生らによるパネル討論「魅力あるグローバル人材」やセミナー、懇親会もある。連絡先は国際交流支援室022(795)7788。

河北新報社


いわゆるグローバリゼーションの影響下でビジネスの世界は英語を話せる人か話せない人かに2極化されていくように見えます。
しかし、本当の2極化はその先にあるようです。
これはシドニーでご一緒した中国で10年近く勤めている方から聞いた話。
「中国はWTOで定められている規定を無視して中国に入ってくる貨物に中国語で詳細の記載がない場合は貨物の受け入れを拒否するように動いているようです」
WTOという欧米先進国への利益供与団体には背を向けて独自の路線を突き進む中国。
もちろんその強気な施策の背景には世界経済が中国の市場にその成長を頼っているという現実があるからでしょう。
どうやらビジネスの世界では英語を話せるか中国語を話せるかに雇用の配分が2極化していくようです。


日本はこのままこの現実を指をくわえて見ているしかないのでしょうか?
いや、日本には最強の武器があります。
それはMade In Japanというブランド。
僕が日本発の某メーカーのお店で働いていた頃、お店には中国を筆頭に世界中からこの日本の製品を求めてお客さんが押し寄せていました。
彼らの口から一様に発せられるのは「Made In Japanをくれ」という声。
商品のほとんどは中国やその他アジア諸国で作られていたのですが一部の商品だけは日本の職人の手によって今でも作られているためそれを見せると彼らは即決で購入。
それほどまでにMade In Japanの信頼は強いのです。
日本が誇るべきはこれら偉大な職人達の技術。


世界は多言語を操るかその人にしかできない特別な技術を持っているかの2極化を迎えるというのが次の展開になるのではないでしょうか。