燃えるお仕事ムービーの傑作! 『スポットライト』

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スギとヒノキの薬って違うものなのでしょうか……。続・花粉の話。

ちょっと検索した限りでは「基本的にアレルギー反応に対する薬だからどちらも変わらない」という意見が大半なのですが明らかにここ1週間で鼻水の量が尋常じゃありません。おしえて詳しい人!

 

今日は映画を観てきました。今年のオスカーで作品賞・脚本賞を受賞した『スポットライト』です。


映画『スポットライト 世紀のスクープ』予告編

 

題材となったキリスト教会による児童虐待と、それを隠蔽したバチカンのスキャンダルについては数年前に『フロム・イーブル 〜バチカンを震撼させた悪魔の神父〜』というドキュメンタリー映画を見てその実態を知りました。

ちなみにその時の感想はこちら。

zuihitsu20.hatenablog.com

 

『スポットライト』を観てこの事件に興味が湧いた人はぜひこちらも合わせてご覧になるといいと思います。

 

ボストンが舞台と言うと近年は『マフィアもの』『犯罪もの』が幅を利かせていますが今回は『仕事もの』映画であからさまにこわ〜い人たちが出て来ることはなかったのですが、よく考えると【善】の皮を被り悪事を働いていた神父たちのほうがよっぽど非道で恐ろしい存在だとも言えますね。

そういう意味ではこの映画も『犯罪もの』なのかもしれませんが、ボクはこの映画のお仕事シーンがとにかく好きだったので『仕事もの』ということで進め(勧め)ます。

 

『仕事もの』と一口に言ってもそれが取り上げる職種はさまざまありますよね。

最近の作品ならアン・ハサウェイとデ・ニーロの『マイ・インターン』は新興Eコマース企業のイマドキな職場環境が垣間見える楽しさがあったし、同じくアン・ハサウェイ案件で言えば『プラダを着た悪魔』なんかはその逆で見た目の華やかさの割にハード過ぎるファッション雑誌の編集のお仕事の様子が興味深かったです。

いま例に上げたものはもちろんほんの一部に過ぎないわけですが、世に数多あるお仕事映画の中でもボクが特に好きなのが今回『スポットライト』で主役となった事件記者を扱ったものなんです。

具体的に言うと記者が嫌がる対象に取材をするため、もしくは貴重な資料や情報を得るためにやや強引な手を使う描写とか、膨大な資料をまとめる描写(壁に貼られた模造紙に付箋を貼り付けて情報整理)とか人の話を聴きながら手許のメモに殴り書きする描写とかを観ると、語弊があるかもしれませんがたまらない快感を感じます。有り体に言えばオーガズム。脳内はもはや梨汁ブッシャーです。

 

今作はその観点から評価してもかなりの傑作と言えるでしょう。群像劇を見事な構成で捌いた脚本や演技のアンサンブルも素晴らしかった。でもボクにはマーク・ラファロが秘書の目を盗んで勝手に取材対象者の部屋に入り込むところや、レイチェル・マクアダムスが電話で話をしながら付箋にメモをするところ、さらに地下の資料室で調べ物をしているブライアン・ダーシー・ジェームズのところに来たマイケル・キートンがその資料の重要性に気が付いて「それ全部上に運べ」と言ったときなんて、これからその資料をみんなで調べて情報まとめていくんだな! と考えたら興奮が止まりませんでした。

 

ここまで書いて、これを読んだ人が映画に行きたくなるか心配なのですが……アカデミー作品賞の看板は伊達じゃありません。それだけは保証します。

 

最後にもしボクと同じようなところに快感を覚える人がいましたらロバート・レッドフォード主演の『ランナウェイ/逃亡者』もぜひご覧になるといいと思います。

 

それではまた。

 

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