風の強い日はアレルギー。そしてバンクシー・ダズ・ニューヨーク。
走る日は風が強い。
花粉飛び交う中、クスリを飲み忘れたままで走るのはなかなかリスクが高いけれど、そんなのかまっていられない。
その昔B'zが歌っていた意味が今になってようやく腑に落ちた。
甲州街道のちょっと手前辺りでmy dj iPhoneがこれを流したのでかなりアガったな。
一歩どころじゃなく二歩も三歩もさきに夏の気分を少しだけ。こういう曲を聴いて気分が高まるくらいには暖かくなってきた。
はなしは変わって先日『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』を観た。
90分程度の本編で7割近くがバンクシーの追っかけ(劇中ではBnaksy Hunterと表記)やニュース映像の転用というドキュメンタリーで、大変現代的な制作方法だった。
なにより印象的だったのはファイブ・ポインツというニューヨークの外れ(?)にある地域で、ここはグラフィティがビルいっぱいに書き散らかされているストリートアートの集積地だった。
だった、というのは文字通り過去の話だから。劇中では無残にも白く塗りつぶされたファイブ・ポインツの姿が浮かび上がり、ひょっとしてバンクシーが2013年10月のニューヨークに現れた理由はここにあったのかもしれないと思わずにいられない。
バンクシーが触れると街角のすすけた壁も工業製品のシャッターも一夜にして数千万円の資産になる。けれどファイブ・ポインツの街を彩る名も無きアーティストたちのグラフィティは大型ショッピングセンターの建設予定地として取り壊されるだけ。資産価値ゼロの落書きでしかない。
そんな厳然たる事実を前にすると芸術の価値とは? というクリシェが頭をもたげてくる。
そんなときはいい音楽を聴いて忘れてしまおう。
Richard Hawley - Tonight The Streets Are Ours