2013年下半期映画ベスト10
今年1年で観た映画は全部で103本。
そのうち上半期に観た中でのベスト10はこちらとこちらで紹介しているので興味があるかたはどうぞ。
今年観た映画のリストはこちらから。
下半期の映画のベスト10を並べます。
なにかの参考になれば幸いです。
10位 ばしゃ馬さんとビッグマウス
夢は叶う!ばかりじゃなくて叶わない人だっているという当たり前、だけれど物語では語られることの少ない苦い現実を爽やかに描いた良作。
関ジャニの人が出ているということで客席の大部分を若い女の子が占めていました。作り手もそれは想定済みだろうに、ガッツリあんな映像とか入れ込んじゃうところにもグッときました。
9位 地獄でなぜ悪い
破綻のない展開とかそんなのいいから!それよりなによりぶっ飛んだものが作りたいんだよ!
と、そんなメッセージがヴィンヴィンにスクリーンから飛び出してました。血の海を滑るあの画が最高!これが園子温監督の実体験に基づいているっていうところがまたすごい。
映画愛にあふれた1作でした。
8位 危険なプロット
文学的とはなにかについて語りながら自ら文学的な結末へと向かっていってしまう主人公の危険だとわかっていても歯止めがきかない好奇心とスケベ心のからみ合いにグイグイ引きこまれました。
劇中小説のモデルになった同級生のアイツに、本年度ベストフェイス賞を贈ります。
7位 サイド・エフェクト
ソダーバーグ監督の劇場作品としては最後と目される作品。巧みなストーリーテリングとカメラが切り取る画の豊かさにシートに座っている時間中ずっと酔いしれました。
見終わった後に「いい映画を観た」と帰り道ずっと浸っていたのはいい思い出。
6位 クロニクル
カメラが身近で日常的なツールとなった世代の自撮り文化を活用した生々しいフッテージは現代的なアプローチを可能にする反面、自撮りの限界がそのまま切り取る画の限界でもあるという課題もあった。しかしこの映画はそんなハードルを主人公たちの使う超能力で軽々飛び越えてしまった。この軽やかな跳躍に拍手。
青春時代に錯覚する自分は無敵だという感覚がスクリーンいっぱいに映しだされていて胸が熱くなった。そのぶん彼らがそれぞれに迎えた結末に胸が締め付けられもした。
5位 真夏の方程式
オープニングの叙情性がたまらなく好きで、このままどうかこのまま最後までこの静謐な時間を壊さないでくれと思ったら、最後までしっかり叙情的にまとめ上げてくれたことが本当に嬉しかった。
綺麗な海と太陽がたくさん描かれているのにスクリーンの中の暑い夏は切なさに溢れていた。とても上品で繊細なガラス細工のような映画。
4位 ゼロ・グラビティ
この映画についてはもう細かいことはいいからとにかく今すぐ劇場に行って『体験しなさい』としか言えない。これを家のテレビで観ていたらベスト10に入ることはなかった。
3位 ペーパーボーイ 真夏の引力
『真夏の方程式』が夏の暑さやざわめきをサイレントの空間にパッケージしてしまったのに引き換え、真夏の引力はうだるようなアメリカ南部の夏を快適なシートに腰を体を沈めているはずのこちらにも臨場感たっぷりに味あわせてくれた。思い出しただけでにじむ汗のベタつきと、喉の渇きが襲ってくるようだ。
マシュー・マコノヒーとジョン・キューザックが絡むシーンは全て脳みそに焼き付けていつでも見返せるようにしたいくらい。
2位 恋の渦
映画を見終わった瞬間の高揚感はこれが今年ぶっちぎりで一番すごかった。帰り道にひとりでさっき観たばかりのシーンを思い返してニヤニヤしていた。
いっさい共通の話題がないと思われる文化圏に生きているあいつらによもや共感とか同情とかする日が来るなんて!なにより愛しさを感じてしまうだなんて!
アイツらにまた会いたい!
1位 そして父になる
圧巻でしたね。今年の映画で唯一、目頭に熱いものがこみあげました。
どのシーンも観ているだけでうっとりするくらいに画が美しかった。ああ、これが映画だなぁってそう思いました。
映画のタイトルが最後に腑に落ちた時の快感たらない。また観たい。何度でも観たい。