2011映画

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これがやりたいがために映画を見ているのでは?とちょっと自分の映画館通いに疑問を持ちつつ、やっぱこれがやりたいので気合い入れて見た映画を思い返して一人でニヤニヤしながら順位付けに迷うという気持ち悪い行為を経て今年見た映画(今年日本の映画館で劇場公開されたもの)のトップ10を列挙いたします。


10位 恋とニュースのつくりかた (原題:Morning Glory)
「『プラダを着た悪魔』の脚本家アライン・ブロッシュ・マッケンナと『ノッティングヒルの恋人』の監督ロジャー・ミッシェルが贈る、 恋に仕事に頑張りながら奮闘する女性を描くサクセス・ストーリー。」以上オフィシャルサイトより。
上の文を読んでもらえればだいたい想像の付く内容。で、僕は基本的にこういう映画は好みなので類似作品はそこそこ見ているつもり。その中でこの映画が突出しているのは主人公の女の子を悩ませる役割を負う役柄(だいたいは偏屈で融通が利かないベテランで過去の栄光もしくは権力があるばかりに本人、そして周りにとっても不幸な存在)を演じたハリソン・フォードにつきます。
最後の最後まで偏屈振りを引っ張るストーリー展開、そして最後に女の子のがんばりに心を氷解されて見せるハリソン・フォードのアレで、号泣!!
女子供の見るスイーツ映画だと思われるかもしれませんが、裏テーマは過去の栄光にすがり安全地帯を抜けきれない男のワンサゲンなんですよこれは。
男泣き確約でございます。


9位 塔の上のラプンツェル (原題:Tangled)
すごいすごい詐欺が横行する3D映画の中で本当に3Dでこそ見るべき作品はこれ。といっても中盤にあるワンシーンだけなんだけど、そのワンシーンがうっとりするくらいの出来でした。
日本語吹き替えで見ましたが、ラプンツェル役のしょこたんもばっちりはまっていました。ラプンツェルが初めて外の世界に出た際に見せた分裂症気味な行動なんてそのまましょこたんだろ!みたいな。ディズニーのプリンセスの中では明らかに異色のキャラ設定が最高でした。


8位 宇宙人ポール (原題:PAUL)
イギリスからはサイモン・ペッグニック・フロスト、アメリカからはセス・ローゲンビル・ヘイダーなどなど夢のコメディキャストで送るSF映画への愛に溢れた1作。なんせスピルバーグが本人役でカメオ出演するわ、最後にはまさかの超大物まで登場するわのラーメントッピング全部のせ状態なんです。
もちろんおおいに笑いました。でも実はそれ以上のサムシングはないと思っていました。が、映画のパンフに町山智浩さんが寄せている解説でまさに目からウロコが落ちてここにランクイン。ただのコメディ、SF映画クラシックへのオマージュで終わらない奥深さがありました。気になる人は現在公開中ですので劇場へ。鑑賞後にパンフ購入をおすすめします。


7位 マネーボール (原題:Money Ball)



この映画はジョナ・ヒルのこれにつきます。賛否両論あるようですが、要はこれでグッとくるのかこないのかでしょう。
ソーシャル・ネットワーク」を世界を席巻するサービスの立役者のサクセスストーリーじゃないことで非難する声を聞いたことがあるのですが、これもまったく一緒。マイノリティがマジョリティに担ぎ上げられるということは完全勝利になり得ない、つねにほろ苦い勝利でしかないということが理解できないとおもしろくないのだと思います。
だからこそ勝利のポーズが圧倒的にダサイのだし、それが美しいのです。今作のブラピは完全にマイノリティ側です。



6位 アジャストメント (原題:The Adjustment Bureau)
どうやら映画的な粗がかなりあるらしいのですが、僕は何も感じませんでした。それより主人公への共感が大きすぎて。
運命を感じた出逢いへの異常な執着。忘れられない恋。これが個人的なキーワードだというのが判明した年でした。
運命とは?人間の存在とは?という形而上のテーマにも踏み込んでいて、見た後はしばらく考え込んでしまいました。


5位 イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ (原題:Exit through the gift shop)
狐につままれた、というのがぴったりくる鑑賞後のとまどいと無限ループしそうな思考への訴えかけを与えてくれるのがバンクシーによるこのドキュメント。
どこまでがリアルでどこからがフェイクなのか、それとも全てがバンクシー流のひっかけ?
バンクシーの手のひらで踊り続けるミスター・ブレインウォッシュはひょっとすると観客の僕たちと変わらないのかもしれません。



4位 ブラック・スワン (原題:Black Swan)
ワンシーン目が始まったら最後、ラストシーンまで途切れない気味の悪さ。このテンションを持続できるのはすごい。
いちいち不快な音の作りを意識しながらご鑑賞ください。


3位 恋の罪
「もうやめてくれ!でもやめないでくれ!(以下ループ)」という責め苦に耐えながらたどり着くのが平和な日常と表裏一体の狂気に満ちた非日常。
この映画は危険だ。主演女優3人の迫真に迫りすぎた演技を見れば「日本の役者はうんぬんかんぬん」という批評が全く持って的外れなものであることが露呈する。そして臭いものにフタで綺麗なものしか見ようとしない大多数に迎合する作り手の不誠実さがあばかれる。
日の目を見ないだけで「ヤバイ」作品を作っている人は日本にもきっとたくさんいるでしょう。その中でそのヤバさを薄めることなくメジャーで勝負できる人がここにいる。園子温監督を全力で支持。


2位 スーパー! (原題:SUPER)
感想は過去に書いたのでそちらを参照ください。
オススメです!!



1位 ジュリエットからの手紙 (原題:Letters to Juliet)
死をも恐れぬ恋心を貫いたロミオとジュリエット
その舞台となった街に集まりジュリエットへ手紙を書くうら若き乙女達とそんな女性達を応援するためにジュリエットの秘書となり手紙を返している地元の女性達。
ってこの時点であまりの甘酢さに悶死寸前。
そこにフレッシュなアマンダ・セイフライドの魅力と美しいイタリアの田園風景が加わり心肺停止。
さらに50年間想い続けた恋を探しにきた女性の老いてもなおトキメキを忘れない可愛らしさと、その老年の恋を見守る若い二人の恋模様も絡めば、当然の帰結として昇天。
もう、ロマンチックが止まらない!!