Sucker Punch

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映画「エンジェル・ウォーズ」 11年 米
監督:ザック・スナイダー
主演:エミリー・ブラウニング
   アビー・コーニッシュ
   ジェナ・マローン


愛する母親の死を契機に血の繋がらない父親の陰謀で施設にたたき込まれることになったベイビー・ドール(エミリー・ブラウニング)は絶望の淵に立たされるが、諦めずに戦うことを決意する。施設の中で出会った4人の少女達と共に脱走に必要な道具を集めていく‥。


芸術作品、何かを表現するということは必ず賛否両論あるものだと思います。というかそれがなければ健全じゃないし、表現の価値すらないと思います。
違いはその賛否の割合や熱量なだけであってね。
それらを踏まえた上でこの作品を振り返ると、まあ賛否がくっきり、それも激烈に別れるんじゃないかと思います。
僕はと言えば、「賛っ!」と若干のつばきを飛ばしながら食い気味で返答したいわけです。
とってもおおざっぱに言ってしまえばザック・スナイダーが「300」をパツキン美女とボインのネーチャンで再構築したような今作。だったらおもしろくないわけがないわけで。
それも「300」が史実に基づいた作品だったのに比べてこちらは完全に創作。それも舞台が非現実的な世界ということで、やりたい放題感は断然パワーアップ。
見所は主演のエミリー・ブラウニングを筆頭にした美女達の戦闘シーン、というかここ意外に何がある?というくらいに振り切った作り。
ただ、その戦闘シーンへ移る際のアイデアは凄い。
最初の一回目は「?」で頭が占領されること必至ですが、仕組みが分かったときの「!」感は爽快。
小さな出来事をとことんまでスケールアップして表現するという発想、そして見事な転換には舌を巻く。むしろベイビー・ドールのダンス見せてよって思うけど(笑)
予告編や宣伝ではどうしても見栄えのいい少女達のビジュアルと不釣り合いな戦闘装備が表立って誤解を招くかもしれないけれど、基本的に今作はとてもアツイ女達の友情物語であり、我々に強く訴えかけてくるメッセージはとても真摯で力強い。
このあたりのバランス感覚は見事。僕も途中までは散々笑わせてもらったけれど、中盤以降からは一気に引き込まれて、最後に彼女たちが下した決断には心で男泣きでした。
冒頭で申し上げたように、今作は好き嫌いがかなりくっきり出る作品であるとは思うので、「300」の過剰なマッチョイズムが好きで主演の彼女たちの中で気になる子がひとりでもいるようならば見に行くのをオススメします!
ちなみに僕はベイビー・ドールとアンバーがヤバイっす。