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バルト9で映画見てたら火災報知器が鳴った

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東京出張中。
夜まで業務に勤しんで新宿近くの駅に隣接するホテルにチェックインしたのは9時過ぎ。
このままホテルでまったりするのも悪くはない。
しかし俺は荷物を置いてすぐに部屋を出た。
目指すは深夜もフル稼働の頼れる映画館、バルト9
映画の演目は敬愛するクリント・イーストウッド大先生の新作「ヒアアフター
22:55から終電も過ぎ去った01:15までの深夜回に向かう俺の気持ちは最高潮だった。
10:00過ぎ、新宿に降り立った俺は歌舞伎町に鎮座する新宿の良心、いわもとQにて天丼セットを摂取。
意気揚々とバルト9へ向かった。
劇場は13階のシアター9。大スクリーンをわずかな人数で楽しむという贅沢に俺は酔いしれていた。
映画が始まり、イーストウッド大先生の巧みなストーリーテリングに誘われるまま至福の時を過ごす。
中盤に差し掛かりマット・デイモン演じるジョージが料理教室で知り合った女性と良い仲になりそうなシーン。
すると突然スクリーン周りのライトが光りだすではないか。
一瞬何が起きたのかわからずに某然とする俺。しかし、ヒアアフターでは劇中に死後の世界と交信するという描写で画面全体が白く光るというものが頻出するため、「すげー。まさか劇場のライティングまで使って演出するのかよ」とリアルに感嘆。
すると劇場全体の明かりがつき映画からは音声が消えた。次の瞬間に聞こえてきたのはやたらと抜けの良い男性のナレーション(録音)だった。
「一階で火災が発生。係員の指示に従い速やかに退場してください」
俺は「マジかよ、いいとこだったのに」と思いつつも緊急事態に少し焦りながらいそいそと外へ出てエスカレーターで下の階へ降りて行った。
するとまず目に留まったのはバルト9の10階にあるカフェスペース。なんとそこには一切慌てる様子もなくお茶や酒を飲んでいる奴らがいるではないか。
「何が起きてんだよ」と訝しみながらさらに下のロビー階へ。するとそこにはカフェと同じく緊迫感のかけらもなく弛緩しきった面を浮かべる連中に、さらには今しがた火事が発生したはずの1階からエレベーターで上がってくる奴らまで。
「ヤラレたよ…。」さすがにここまで来て誤報だと気がついた。
とりあえず何事もなかったことに安堵しつつ、徐々に疑問が湧いてくる。
まずとんでもない音で火災報知器が鳴り響いているにも関わらず、特に動く気配もない人々。
我先にと他人を押しのけという醜い行動がないのはいい。しかしあれがマジで火災だったらどうするんだろう。
そして係員の方々。冷静に状況を確認する姿勢は良し。けれど確認中なので下へは降りないでくださいって通路を塞ぐのはちょっと怖かった。
ってか、律儀に警報に従うことがなんだかダサいみたいな感じに映画館全体がなっていたことに驚き。
オオカミ少年じゃないけど、だいたい誤作動なんでしょみたいな認識でいるといざとなったら危ないんじゃないかな。
結果的には何の問題もなかったし、なかなかいい経験ができたなとあれから2時間くらいたった今なら思えるのですが、渦中にいたときはあの場に蔓延してた「どうせ大丈夫なんでしょ?」という弛緩しきった空気にきわどいものを感じたのだった。
ちなみに映画は続きから見る気はしなかったので返金してもらい帰路に。
なんだかなぁの東京の夜だった。