読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Education of Shelby Knox

このエントリーをはてなブックマークに追加

映画「シェルビーの性教育 〜避妊を学校で教えて!〜」
監督:Marion Lipschutz(マリオン・リプシュッツ)
Rose Rosenblatt(ローズ・ローゼンブラット)


保守派の根強いテキサスで育った少女、シェルビー・ノックスが、地域の性教育や同性愛者の捉え方に疑問を投げかけていく姿を追う。キリスト教保守派の町では同性愛やコンドームの使用が許されないため、学生妊娠や性病の割合が極めて高い。シェルビーは、保守的な人々に現実と向き合ってもらえるよう活動の指揮を執る…。
from 松島・町山 未公開映画際HP


絶対禁欲主義というなんとも仰々しい主張。
これは性教育、特に避妊法、を教えてしまうと子供達がセックスをしてしまうから教えないでおこうというトンデモな教育方針を後押しするために掲げられている。
推奨しているのはキリスト教原理主義者(聖書絶対主義者)の方々。
これは聖書の中でオナン(オナニーの語源)という男が膣外射精をしたら神様から天罰にあって死んでしまったという寓話があるため、膣外射精またはコンドームなどで避妊をしてはいけないという教えになっているため。
しかしこの話、本当は死んでしまった兄の代わりに弟のオナンが神様から「兄嫁を妊娠させろ」と言われたのに兄嫁の中で出すのを躊躇ったから命令に背いたために受けた罰ってだけ。すごい曲解。


キリスト教の教えが強い保守的な地域では実際にこの政策が推し進められていた。
そんな町の一つがテキサスにあるラボック。
さぞや敬虔なクリスチャンが…なんてカメラが地元の盛り場に行くとそこにいる若者達はみなやることがないのでセックスしまくり。
でも避妊方法なんて教わっていないので10代での妊娠率と性感染症の割合が全米一高いという有様。
まあ当然の帰結ですわな。
そもそもこのばかげた政策を考えたやつは動物に備わっている本能を軽視しすぎ。
人間が本能の赴くままには生きていけない文化的な生活を築いてしまったいじょう、その本能と上手に付き合っていく道を探っていかなければ社会からはじき出されてしまうのは自明の理。


そんな理不尽な教育に反旗を翻したのが両親共に保守的なクリスチャンで共和党員の娘であるシェルビー。
ご両親もどうして自分たちの子供がこんなリベラルになってしまったのか…と述懐するくだりなどはなかなか感慨深い。
でもこのご両親も途中から気がつくのだけど、シェルビーはただ弱者の味方でありたいと思っていただけなんだよね。
だから自分は婚前交渉をしないという誓いを立てているしキリストの教えも尊重するけれど、性教育は必要だと主張するしゲイの団体を支援する。
劇中で彼女が言うようにキリスト教は(そして全ての宗教は)決して視野狭窄な宗教ではなくて寛容の宗教であるはずなんだよね。
物事の本質を見つめている彼女の行動にただ拍手。