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Deliver Us From Evil

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映画「フロム・イーブル 〜バチカンを震撼させた悪魔の神父〜」
監督:Amy Berg


神父が危険な少児性愛者であると知りながら、彼をかばい続けた教会。その後30年間にわたって、神父は子供たちを虐待していく…。本人、被害者たちのインタビューも収録した、衝撃的なドキュメンタリー。
from 松島・町山 未公開映画際


「Deliver us from evil」(我を悪魔から救いたまえ)というキリスト教徒の祈りの言葉が冠された今作。
あぁ言葉が空しく響く。
全てを委ねるほど信じきっていた神父に、カソリックの組織に、なにより神に見放された被害者を思うといたたまれない。
この事件は神への敬虔な信仰と純な親子愛が介在していたがために長く顕在化しないままで来たから、その不幸さがより一層痛々しい。
今作で追求されたオグレディ神父以外にも全米で4400人にものぼる数の神父が幼児虐待の疑いで告発されているという事実。
中にはキリスト教で最も忌むべき同性愛まで犯していた神父も(今作のオグレディ神父も)いるのだから開いた口がふさがらない。
バチカンは自分たちの信仰の根幹が内部から腐食しきっていたという事実にどのような論理的説明をつけるのだろうか。
理想を掲げるのは結構だが、その理想を取り繕うために結果として理想を支持する人々を裏切るなど言語道断。
自浄作用を持たない理想原理主義団体は始末が悪いと改めて思った。