WAL-MART The high cost and the low price

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映画「ウォルマート 〜世界最大のスーパー、その闇」 05'米
監督: Robert Greenwald(ロバート・グリーンウォルド)


全米各地にあるディスカウントスーパー“ウォルマート”。どの商品も近くのスーパーよりも安く、コンタクトレンズの保存液や、歯磨き粉など、近くのスーパーよりも安い値段で商品が売られている。本作品は、ウォルマートが進出してくる地域では、地元の小さい商品は皆、廃業に追い込まれ地域コミュニティーを破壊するというストーリーで始まる。また、安い商品の裏には中国やバングラデシュのウォルマート工場での労働者搾取や、アメリカの店頭販売員も満足な給与や福利厚生を受けられていないという現実があった・・。

世界で店舗数7200以上、従業員210万人以上、売上高は1年で40兆円を超えるスーパーマーケット、それがウォルマート。
食料品はもちろんのこと電化製品にゲーム、薬や化粧品などありとあらゆるものを取り扱っているアミューズメント・パークのようなスーパーマーケット、それがウォルマート。
なにかと槍玉にあがるこのモンスター企業、こんなにたくさんの店と売り上げがあるはずなのにどうしてこんなに嫌われるのだろうか?
理由ならたくさんある。
圧倒的な資本を背景に巨大な店を各地へ出店することでその地域にある小さな店やコミュニティを根絶やしにしていること。
働けば働くほど貧乏になっていくだけの低賃金。年収が200万円を切る人もザラでこれは国が設定した貧困レベルをきっちり超えている。
福利厚生も整っておらず、おちおちケガや病気も出来ない。
だというのに創業者一族は合わせればあのビル・ゲイツをも超えるほどの資産を持ち、それを社会還元しない。
ある年など一年で企業としての寄付金が60万円しかないこともあった。ちなみにビル・ゲイツは収入の約半分ほどを寄付している。
お店の従業員だけでなく、ウォルマートで販売されている激安商品を製造している中国やバングラデシュの環境も酷い。
数百円という日給(!)で日がな一日働かされ続け、動きが悪ければ看視から暴力を受ける。


・・・これ以上書き連ねるとキリがないのでこのあたりで止めておくが、この映画を見れば誰だって憤りを覚えること請け合いだ。
ただし、公平を期すために付け加えておくと、この映画が公開された後にウォルマートはハリケーン・カトリーナで被害にあった人々へアメリカの企業で一番の寄付と支援を施した。
例えそれがイメージアップのための偽善であったとしても彼らが動いたことに違いはない。
この映画は低予算の小さな映画かもしれないが、確かになにか大きな波を起こした。
その事実に打ち震えてほしい。