Where in the world is Osama Bin Laden?

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映画「ビン・ラディンを探せ!」 08'米

監督:Morgan Spurlock(モーガン・スパーロック

ビッグマックを食べ続けて話題を呼んだ「スーパーサイズ・ミー」の監督モーガン・スパーロックが、前作同様、監督自身が「主役」となり、「オサマ・ビン・ラディンはどこにいるんだろう?」と質問しながらイスラム諸国を駆け回る。相手を「テロリスト」と決め付け、そこで暮らしている人々の姿を見ようとしないアメリカ人に向けて、自分たちが戦争している国の実態を見せ付ける作品。
from 松島・町山 未公開映画祭HP


つい先日、ヨルダン人のお客様の相手をする機会があった。
「へぇ、ヨルダンですか…」
初めてこの機会を仰せつかったとき僕はこれ以上のコメントができなかった。
ヨルダンと言われれば聞いたことはことはあるけれど、一体どこにある国でどんな人たちが住んでいるのか、主な人種は?などなど実はわからないことだらけだった。
そこで僕は初めてヨルダンという国について(簡単に)調べてみた。
ヨルダンは正式名称をヨルダン・ハシェミット王国といって周りをイスラエルパレスチナイラクサウジアラビア などに囲まれる中東の国だ。
この国はアラビア語公用語とするイスラム文化圏に属している。
ここまで読んで「教養のないやつだ」と僕の無知さにあきれる方もいるかもしれない。
が、そんな人にはぜひトルクメニスタンについて(ググらずに)今すぐコメント欄で教えてもらいたい。 (って、これも知ってるつわものがいたらどうしよう…)
まぁ、僕が言いたいことはつまり知識や教養なんてものはどんな人生を辿ってきたかで大きく違いがでるものだってこと。
今回、僕は幸運にもヨルダンに接する機会があった。
けれど一般の日本人でよほどの地理好きか、皇室の美し過ぎる女王様好きでない限りどれだけの人がヨルダンに興味を持つだろう。


アメリカといえば外国に興味のない、もしくは国外に出たことのない人の数が圧倒的に多いことはよく知られていることだろう。
国民のパスポート所持率が2割に満たないなんて話もあるくらいだ。(真偽のほどは定かでない)
所詮グローバリゼーションなんて周りがいくら声高に叫んでみても彼らにとっては語学の苦しみもないし、国外に出て働くメリットもあまりないのが実情だ。
そんなアメリカ人にとって中東の国々はいったいどんなイメージで語られているか?
テロ組織の温床になっている危険な場所だ。
あそこにいる奴らはきっとみんな野蛮で暴力的に違いない。
これ、あながち当てずっぽうじゃないと思う。
そして日本でも、さすがにここまでひどい決めつけはないとは思うけれど、ちょっと近寄りがたいイメージってあるんじゃないかな。


今作の監督モーガン・スパーロックは新しく生まれてくる我が子のために平和な世界を作ろうとオサマ・ビン・ラディン捜索に乗り出した。
この時点でこの映画のオチは明白だ。ビン・ラディンが捕まるわけなんてない。
これはもちろん彼らしい映画のツカミとなるユーモアに過ぎなくて、本筋はその地に住む人々の実情を切り取り伝えることだ。
こんなテーマの映画だと知ったら、「ムスリムだからみんな悪者ってわけじゃないなんて当たり前じゃん」なんて鼻白む方もいるかもしれない。
けれどちょっと待ってほしい。本当の本当の本当にあなたはそんなニュートラルな視点をどんな事柄に対しても持っているのだろうか?
綺麗な服を着てちょこんと大人しそうにしている美少女は良い子で、派手な化粧に露出度高めの服を着てケータイでくっちゃべってるギャルはビッチだって思ったりするだろ!?僕は思うよ(キッパリ)
だからこそ当たり前、常識だと思われていることに常に光を当てて何度でもその当たり前さに心を震わせることが大切だと僕は思う。
その当たり前さがどれだけ当たり前でなく尊いことか。
体を張ってそんな当たり前のことをきっちりエンターテインメントに仕上げて見せたスパーロックに僕は賛辞を贈りたい。
そして相変わらずアンニュイなくせにとてつもなくセクシーな彼の奥様には胸一杯の愛を贈ろう。
必見の映画です。