毎月1日は映画サービス・デー

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その事実は今日映画館に着いたときに思い出しました。
そんな嬉しいハプニングで見た映画がこちら。


映画「Precious: Based on the Novel Push by Sapphire」 09米


プレシャス
監督:リー・ダニエルズ
主演:ガボレイ・シディベ
助演:モニーク


1987年ニューヨークのハーレムに暮らすプレシャスは16歳にして二人目の子供を妊娠していた。
しかしその子供の父親はプレシャス(ガボレイ・シディベ)の父親でもあった。
彼女は性的な虐待を受けていたのだ。
さらに不幸なことに彼女の母親(モニーク)はその事実からプレシャスに辛くあたるようになった。
絶望のどん底で生きるプレシャスだがある教師との出会いによって少しずつ明るさを取り戻していく…。


期待し過ぎないように心がけて見に行ったのですが、そのおかげ(?)か満足の結果に。
この映画の素晴らしいところは、見ているこちらが本気でおちそうになるくらいに悲惨な状況を描きながら、決して安っぽい解答もしくは希望を提示して幕引きしないところ。
あくまで市井の人々にとって自然な範囲の世界から抜け出しません。
映画でくらい夢見させてよ、という人にとっては面白くないことこのうえないと思いますが僕はプレシャスが最後に見いだした道に拍手を送りたいです。


で、本日はせっかく映画がお得に見られるということでもう一本。


映画「Alice in Wonderland」 10米


アリス・イン・ワンダーランド


監督:ティム・バートン
主演:ミア・ワシコウスカ
   ジョニー・デップ


アリスは19歳になっていた。
小さいなころからおかしな夢に悩まされているアリスは亡き父親の事業を引き継いだ富豪の息子に求婚される。
しかしそんなアリスの前に白ウサギが現れてアリスはプロポーズの答えから逃げ出して白ウサギの後を追う…。


期待値をかなり低めて見に行ったのですが、その期待値をさらに下回るツワモノでした(笑)
プレシャスを見た後だからというのも影響がなくはないかも。
なんせあちらが劣悪極まりない黒人の掃き溜めを描いている一方で、こちらはそれとは真反対のまさに夢物語。
その夢もとことんファンタジーを描いてくれればいいのに、なまじ少女の成長なんて描こうとするから白けてしまう。
さらに普段から物語の粗探しとかに疎い僕ですがこれはいやでも粗に気づいてしまうという惨状。
それらを挙げればきりがないですが一番酷いのはやはりラスト。
不思議の国から戻ってきた途端に強くなったというよりは人への思いやりを無くしてしまっただけじゃないか。←叔母さんに対する仕打ち。
それも歴史の一端にまで踏み込んでくる始末。イギリスの植民地政策はアリスによって仕組まれたのか−!!!
あと、赤の女王と白の女王の対決も結局見た目のいい方がイイモンでそうじゃないやつがワルイモンという悪しきステレオタイプを助長しているだけにしか見えません。
確かに赤の女王は恐怖政治で締め付けているだけだから因果応報だとは思うけどさぁ。ま、これは原作までさかのぼらないといけない領域になるのでこれ以上は踏み込みませんが。
そしてこの映画最大の問題はアリス役の彼女。きっともっと魅力的かとは思いますが、冒頭幼い頃のアリスの場面から13年後の彼女に飛んだ瞬間、画面に映ったのは少女の頃の奇跡的な可愛さからは想像できないくらいに不健康そうで痛々しい彼女。
「夢のせいでろくに寝れなかった」そうですが、それにしてもさ…。この手の映画で主人公の女の子に恋できない観客はその時点で続きがつらいっす。
もちろんそこは好みの問題ですので人によってはクライマックスの鎧姿に萌えるのかもしれませんが。
ていうか基本的にキャラ萌え出来ない人間には話しの筋だけが救いなだけにその基盤にもよりかかれなかったのは大きな痛手でした。
原作ファンの目にはどう映るのか興味のあるところです。