途中下車

このエントリーをはてなブックマークに追加

清々しい朝。夜通し走り続けた夜行列車ムーンライトながらは大垣へ到着。
しかし乗組員二人は完全にヤラレていた。
それでも窓際に座っていた筆者は上手く体勢をとりそれなりには眠れたのだが、通路側に座っていたうどんマスターは「細切れにしか眠れませんでした…。それはまるで出来の悪いうどんの麺のような細切れ具合で」と疲労感を隠すことの出来ない顔で上手いのか、いや上手くはない言い回しで述懐した。
だがここでゆっくりする間もなく乗り換えのために我々は走った。
そして無事に西行きの電車に腰を下ろす。
あまりの余裕のなさにこの辺りは写真がない。勘弁されたし。
今回の旅、目的地はとうぜん四国は香川県なのだがいくら鈍行の旅とはいえ時間が有り余っている。
そこで我々はどこかで途中下車でもして軽い観光と食事をしようと考えた。
降り立ったのはここだ。

そう、京都。
「そう、京都」といわれてもこの写真では京都だと判りづらいだろうことは想像に難くない。
ここは京都駅内の大階段。
京都駅の改修、改築は地元住民から都市の景観を損なうとして様々な懸念が寄せられていたようだが建築家・原広司氏の設計による今の京都駅は文句なくビューティフォー!そしてインクレディボー!
遠い将来この建物も市内にある沢山の歴史的建築物と並んで立派な遺産になることは必至だ。


駅近くの喫茶店でモーニングを食した我々はその店から目と鼻の先にある浄土真宗大谷派の本山・東本願寺へと脚を伸ばす。
京都市内は何度か巡ったことがあるが京都駅周辺は見落としていた。
それにしても東本願寺、大きな建物である。
これは門。

本堂の一部。実際の内部は写真が撮れなかったのだけれどとても荘厳で美しいところだった。

まさに伽藍どうとした場所。風情がある。


東本願寺を後にした我々はそのまま駅周辺を攻めることに決定。
次は京都駅を挟んで真反対の東寺へと向かう。
東寺東本願寺に比べると空間の使い方が特徴的でやはりそれは密教的な曼荼羅世界を演出するためには必要な造りなのだろう。

この寺で一番の見所といえばもちろん五重塔になるだろう。筆者もそれくらいの知識しか持ち合わせていなかったのだが、講堂と呼ばれる建物に入った瞬間に筆者は全ての意識や感覚を奪い去られた。
この場所も写真撮影は禁止されていたので興味のある方はもちろん直接赴いてみるのが一番だが、とりあえず東寺のサイトへ飛んで講堂の様子を見てみて欲しい。
そこには立体曼荼羅と呼ばれるものがあり大日如来をはじめとする仏や菩薩たちがビシビシと体内へ語りかけてくる。
そしてもちろん五重塔

色々と堪能してもうお腹いっぱいの刑。


しかしこれはあくまで途中下車なのだ!
本来の目的を思い出した我々は急ぎ電車へ乗り込んだ。
待ってろ!うどんたち!
まだまだ続くぞ!