螺旋

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こんなニュースが。

ユニクロ”より安い! イオンが880円の格安ジーンズ
イオンは12日、プライベートブランド(PB)の「トップバリュ」から、880円の格安ジーンズを全国のジャスコやサティなどで14日から順次発売すると発表した。消費不況が続くなか、客足を呼び戻す“目玉”商品と位置づけ、来年2月末までに100万本の販売を目指す。


いいもの(それなりに)を安くというのは大多数の消費者からすれば願ってもないことではあるけれど一度冷静に考えた方がいいんじゃない?
これだけの安さを出すためにはその裏ではどんなことが起こっているのかを。
材料の調達過程、運送方法、広告宣伝、他にも一般の営業努力の成果でこの価格で提供できますと普通は言うだろう。
けれどもなによりお金のかかることといえば当然人件費でしょう。
一本のジーンズを誰かが買うまでに媒介となる人間の数、僕は学者じゃないから詳しくは判らないけど一人二人じゃないことは確か。
特にこれが生産されている国で働く人は一体いくらで働かされているわけ?
日本とは物価が違うから単純に金額だけで比較はできないだろうけどさ、それでもおそらくかなりの安労働でしょう。
もちろんこれをお店で売っているパートのおばちゃんにしたって一日足を棒にして働いていくらもらえるってことですよ。
安い賃金で働く人が増えて、安いものしか買えなくて、だから働く人は安い給料で雇われて、さらに安いものしか売れなくなる。
まさにデフレ・スパイラルだよ。
むかし何かのテレビでとある政治家が庶民派を演出したかったのかそれとも自分の政策を正当化したかったのか知らないけれど
「僕が普段使ってるこのタオル。これなんて二枚で100円ですよ。今は100円ショップに行けばいいものがたくさんある。安価でいいものが買えるなんて幸せなことですよ。デフレってのは決して悪いことじゃない」
とか言ってました。
ええ。モノが安く買えるのはいいことでしょうよ。でもさ、安いもの”しか”売れないし買えない世の中はやっぱりいい国とは言えないんだよ!
結局、普段は金持ちとしか付き合いのないお偉いさんには庶民感覚なんてわかるわけがなくてさ。
一部の富める者をさらに富ますだけの新自由主義政策が失政で、神の見えざる手なんてないことは歴史が証明しているだろう。
悪いのは安いものを提供しようと努力する企業や、安いものに手を伸ばす消費者ではなく、そんな状況を是正しない(出来ない)為政者であることは明白です。