true crime

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映画「トゥルー・クライム
監督:クリント・イーストウッド
主演:クリント・イーストウッド


どこまで行くのかイーストウッド詣で。今回は1999年の作品トゥルー・クライム
かつての敏腕記者エベレット(イーストウッド)は酒と女のために今でははじき者に。
そんな彼がある日、可愛がっていた女性記者の不慮の事故を受けて彼女が担当していた死刑囚の刑執行前のインタビューをとりにいくことに。
しかし事件のことを調べていくうちに死刑囚は本当の犯人ではないと気付く。
執行までもう一日もないがエベレットは事件の真相を暴けるのか。


以上が映画の設定。
エベレットが事件に怪しい臭いを感じるくだりだとか、最終的に話をひっくり返すくだりだとかに若干というか結構な力技が駆使されていて僕は割りとそういうのに寛容なのですが、手厳しい観客には鼻白むところかもしれません。
あとエベレットのキャラ設定として無類の女好きという破滅型人間が当てられていてその描写として上司の奥さんと不倫していたり、わが子、ちなみに劇中の子供役は実際にイーストウッドの娘・フランチェスカちゃん、との約束を反故にしたりして最終的には奥さんから三行半を突きつけられたりするのですが、その辺りのシーンの必然性が感じられませんでした。
そんなキャラ描写に時間を割くくらいならもう少し事件そのものを紐解いていく過程や、死んだ部下に対する想いを描くとかしてこの事件に対してその部下が傾けていた情熱みたいなものを掬い取っていったほうが見ている側も感情移入がしやすかったような気がします。実際その部下の的確な仕事がこの事件を解決する糸口になっているわけだし。
死刑囚が最後に家族と過ごす愛に溢れた姿と、娑婆に生きる人間の家族を大切に出来ない愚かさを比較して見せているとも解釈できなくはないですが、それはかなりの拡大解釈かな。それがメッセージだとしたら奥が深すぎる。
特筆大書するほどではない小品。