伝家の宝刀!?

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本デビュー前からソングライターとしては充分すぎるほどのキャリアを積んできたKeri Hilson(ケリ・ヒルソン)
今やトッププロデューサーの名をほしいままにするTimberlandの秘蔵っ子として彼のリーダー作ともいえるアルバム「Shock Value」からの先行シングル”The Way I Are”で爆発的ヒットを飛ばしたり、NaSのアルバム「Untitled」の先行シングル”Hero”などでもいい意味でNaSらしからぬメジャー感を出すことに成功しています。


Timberland-The Way I Are

NaS-Hero


そして来る7月8日には”美人すぎる歌姫”という可愛そうなキャッチフレーズで日本デビューも果たすそうです。
いや、美人ですよ?でも本人のあずかり知らぬところで起こるこのちょっぴり残念な感じ。
レコード会社の人もプローモションは大変だと思いますがちょっと安易だよなぁ。


そのデビューアルバムから作られたビデオはゲストにNe-YoとKanye Westを迎えた"Knock You Down"
曲はまあ可もなく不可もなくといったところですが、このビデオが興味深い。
どう興味深いかというと、”あの”蟹江氏がいわゆるお約束に加担しているということ。
つまりソープ・オペラ的ドラマ仕立てといういわばブッラク・ミュージック界隈では当然ともいえる構成のビデオに、そんな既存の約束事をぶち壊してきた蟹江氏が出演しているという、いわばずっと封印してきた伝家の宝刀を抜いたに等しいことが起きているわけです。(少なくとも僕が知っている限りでは、ね!)
どんどんクリエイター・アーティスト思考が強くなってきた3rdアルバム以降には蟹江氏のその兆候は顕著に現れていて、例えば"Flashing Lights"では荒野に車を止めた女が自分の服いでそれを燃やし、次にはトランクの中で身動きの取れなくなっている男をシャベルで突き刺したところで終わるという意味不明極まりないストーリーともいえない展開のビデオを作ってみたり

"Love lockdown"では無機質の真っ白な部屋で苦悩に満ちた心境を吐露する蟹江氏に突然アフリカ原住民的部族な方々が交差するというアバンギャルドな代物さえ作っているわけです。


そんな彼がNe-Yoと「俺の女に手ぇ出すなや!」なんて演技をしているわけで、このビデオが面白くないわけがないのです。
そこらへんも込みで見てください。


ちなみにアルバムは思っていたよりもTimberland色は薄くて、8曲目の"Intuition"くらいかな、いかにも!ってやつは。
で、またその曲が中毒性高めでいいんですけどね。
他にも好い曲多めでオススメですよ。
こちらはUS盤。

In a Perfect World

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