speedのlong way homeは結構いい曲。

空の思想はただの言語ゲーム的な理論ではない。
空の概念を正しく認識すると世の中がとても簡素で綺麗に見えるのだ。
昨日のエントリーを読んでいない人はそちらで空の理論を簡単に示しているので参照されたし。

たまに街などで有名人を見かけたりするとその周りを人々が取り囲み騒然とする。
そして皆口々にこう漏らす。
「テレビで見るよりかっこいい！」
「肌が超キレイ！」
それは事実そうなのだろう。
ましてやそれが俳優などであれば人に見られること魅せることを生業にしているわけだから見た目に気を使い金をかけている結果としては当然の感想だ。
しかし中には聞き捨てならない発言もある。
「やっぱ芸能人はオーラが違うよね」
あるいは「芸能人のわりにはオーラがないよね」というやつもあるが、この種のオーラ信仰は極めて愚かだと言わざるを得ない。

釈迦の唱えた理論に十二支縁起というものがある。
ここにその全てを列記することは控えるが、要するに物事は全て因（直接原因）と縁（間接原因）によって成り立つのであってそれ自体で存在するものはないという考えだ。
ちなみに普段我々が口にする縁起というのはこの因縁生起という思想とその言葉を略したものである。
つまりオーラというものはそれ自体（ここではある有名人）に付着しているものではなく、その被写体を見るあなたや、そんなあなたにオーラというありもしない概念を植え付けて利を得ようとする外部からの誘導によってあなたが見させられているものに過ぎないのだ。
本来この世は全て空、実体などはありはしない。しかしそこに因が起き縁が生まれると空にラベルが貼り付けられる。
僕はこのラベルを否定しない。
誰かのことを好きになったり何かを美しいと思う感情こそ尊重されるべきものだ。
しかしあなたとあなたの感情の対象の間にある糸は一本でなくてはならない。
あなたはあなたが好きなものを本当に好きだろうか？
空の理論と十二支縁起の考えは世界があなたにかけた色眼鏡を外してくれる最良の道具だ。
これにより目が覚めると世界はとても美しくなる。