アルバム篇

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今年は一枚がダントツに素晴らしすぎてそれ以外は影が薄い。
とは言えそれなりに楽しめたものもあるのでまずはそちらを挙げる。


Way I See It (Sba2)

Way I See It (Sba2)

まずはこちら。
まさかの全編生音・原点回帰のroots of R&Bな一枚。いわゆるモータウン的(?)な懐古主義とは思うなかれ。
そこは流石の敏腕プロデューサー。しっかりと今の空気も詰め込んでポップミュージックとしての機能性も抜群。
"Oh Girl"の切なさ全開ぶりに震えずにはいられない。
そしてこの"Oh Girl"の別バージョンではまさかのJay-Z降臨。
こんなメロウなトラックでも楽々ライムをかます彼にも脱帽。
今や既視感たっぷりのオートチューンに食傷気味の人にこそこの”生”感覚を楽しんで欲しい。



808s & Heartbreak

808s & Heartbreak

上でチクリと指しておきながらまさかのコレ!
カニエが歌う!?ですっかり話題をさらった今作。オートチューンバリバリ(笑)
でも不思議と馴染む。そして一緒に口ずさんだり。ウマソーハーレー(注:woman so heartless)。
前半・後半に彼の苦悩を、喪失感を吐露しておきながら中盤にはしっかりとサービス精神を忘れないところも彼が一流のポップメーカーである理由か。
そしてそんな暗い前後半もまるで成功の後でどん底を見るしかなかった数多のロックスター達を思わせて興味深い。
軟弱オルタナ少年よ、「Siamese Dream」が好きならこっちも聞け。



Sketches of a Man

Sketches of a Man

J dillaの継承者が実はここにいた!
浮遊感たっぷりのウワモノに独特の変則ベース。乾いたスネアもヌケが最高。って何これ?
で、調べてみれば彼はもともとSlum Villageに見出されたってのだから納得。
歌声もいわゆるシルキーボイスで甘さたっぷり。これでサウンドプロダクションもやってしまうのだから言う事なし。
Q-tipの新作は悪くなかったけど…」ってあなた!大丈夫。今年はこれがあるぞ。



そして今年ぶっちぎりの傑作は。

ZAZEN BOYS4

ZAZEN BOYS4

最初から最後まで聞いている間にアドレナリンがとまらん!
もっとくれ。もっとくれ。で、気付けば再生ボタンをもう一度。
使い古された常套句ではなく本当に一音に一音に無駄がない。
そして俺の細胞の一つ一つがそれに呼応して疼く。
全ての音と細胞にはちきれんばかりの緊張感が漲って、これは聞く側と演る側のガチンコ勝負だ。
どれだけ聞いても俺はこれを理解できん。だから何度でも聞く。そして俺は今日も戦い続ける。
ぶっ飛びたい奴は絶対に聞け!