Common-Universal Mind Control

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幾度の発売延期を経てついに世の中へと放たれたコモンの新作「Universal Mind Control」
先行シングルだった表題曲”Universal Mind Control”を聞いた時点で今作は直近の2作とはかなり趣を異にした仕上がりになることは明らかだった。
あるインタビューの中でコモンは自分の曲の中にはクラブでかけるにふさわしいものがないことに気が付いたというような趣旨の発言をしており、そのことが今作のカラーに大きく反映されていることは間違いない。
とは言え先述した表題曲のあまりのアグレッシブネスには驚かされることしきりだった。今までにフロア向けの作品を作ってこなかったと述懐した彼は早速とんでもないクラブバンガーを作り出してしまったのだ。
そしてこの作品にはそんな曲がゴロゴロ転がっている。これはとんでもないアルバムだ。
今作のメインプロデューサーを務めたThe Neptunesにしても溜飲の下がる思いがあるだろう。
コモンと彼らの邂逅として「Electric Circus」を避けることはできない。
当時、?uestloveやJ.Dilla等と組んで作り上げた「Like water for chocolate」においてアーティストとしての誉れを極めていた彼は次なる一手として全く違う音作りを望んだ。
しかしその挑戦は多くのファンからの失望という形で幕を閉じた。コモン自身も後に「あのアルバムでは遠くへ行き過ぎたと」コメントしている。
しかし今回のJ.Dilla追悼作の後に出た作品が見事にそのリベンジを果たしていることはコモンと言うアーティストを巡る大きなドラマとしてとても感慨深い。
そこにはLil Wayneという突然変異の怪物がぶっちぎりの商業的成功を収めてしまうほどにヒップホップという音楽の許容性が増したことも関係しているかもしれない。
そして何よりコモン自身が誰よりも先に作品内で言及をしていたオバマという革新の象徴たる人物が矢張り大きな成功を収めたことも関係しているだろう。
変わらずに生き残るためには変わりつづけなければならない。
今作を聞く限りコモンの行く末はまだまだ輝きに満ちているようだ。


Universal Mind Control

Universal Mind Control


追記。
TVライブより「Make My Day」
矢張りタイトルはinvincible summerにするべきだ!