knocked out

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閉山間際の富士へ行ってきた。
お相手は斎藤先生だ。

ここ連日の雨模様の影響もあってなのか五合目の時点でもやや肌寒さを覚えるスタートになった。
ちなみに我々は河口湖口からの登頂。時刻は20時半辺りからアタック開始。
ある程度事前に調査をかけていたので6合目、7合目までは比較的ゆとりを持ってオーバーペースにならないように気をつけながら。
そして7合目以降は富士の本領発揮と言ったところで剥き出しになった岩肌と鋭さをます傾斜に手間取りながら。
この辺りで風が強さを増して、更には雨も降ってきたのでコンディションはやや悪い方向へ。
それでも慌てることなくこまめに休息を取りながら漸進する。
頂上で御来光を拝むことに時間設定の中心を置いていたので意識は常に残りの距離と時間の兼ね合いにあった。
にも関わらず本八合目の小屋で軽く休憩を取っているとそこのおっちゃんから「ここから頂上へはゆっくり行っても2時間もかからない」との助言。ちなみにその時点で時刻は深夜1時頃。
御来光があれば予定時刻は5時過ぎだったので、明らかに早すぎるペース。
それでも一度は登り始めたのだが、矢張りこの寒さの中を2時間も待ち続けるのは得策でないと、別の小屋で1時間のロングレスト。
しかし休憩を3時前に切り上げていざアタック再会してみると小屋の外では先ほどからは考えられない人の列。
結局斎藤先生が言うところのペイ・フォワード状態*1の中を潜り抜けながら、無事4時過ぎに頂上へ。
そして肝心の御来光だが、幸運にも頂上からは遠くに雲の切れ間を見ながら無事5時過ぎに堪能。
少しずつ様相を変える空の色は筆舌に尽くしがたい。
結局頂上へは休憩を入れて7時間45分ほどの長丁場。これが下りは2時間少ししか必要としなかったことに少なくない驚きを持ちつつ無事に帰還。


今回の装備は周りの経験者の人たちからの助言を頼りに念入りにした。
まず防水加工のアウターとしてmont・bellのストームクルーザーの上下を。幸か不幸か今回はこのアウターが八面六臂の大活躍。機能性ウェアの底力を見た。

(モンベル)mont-bell ストームクルーザージャケット男性用

(モンベル)mont-bell ストームクルーザージャケット男性用

(モンベル)mont-bell ストームクルーザーパンツ男性用

(モンベル)mont-bell ストームクルーザーパンツ男性用

靴はmerrellのカメレオン。こちらも抜群の耐久性と安定性で足もとの不安は一度もなかった。
[asin:B001DLUEK6:detail]
他は普段運動の際に使っている吸汗速乾素材のシャツやタイツをインナーにしておけばまず問題ない。
夜登山なのでヘッドライトはマスト。LEDのライトなら小さくとも足もとを照らす分には申し分ない。というか足もとを照らせればそれで充分。遠くはどうせ見えしない。
酸素ボトルも持参したけれど、ゆっくり体を慣らしながら登ればまず必要ないだろう。まあ斎藤先生は頂上で軽い高山病を発症したが。
食料は水分を1リットルと糖分強めのチョコやパンを。アミノバイタルのゼリーは特に力になった。BCAAとアルギニンが疲れた体に沁みる!!
[asin:B000K97BIU:detail]


さて、今回僕は富士登山の合間や今こうして富士登山を終えて何故山へ登るのかと考えてみたけれど、結局はよくわからない。
経験の一環としてというのもあるだろうし、日本人として一度は登っておかなければという義務感に似た感情があったことも否定しない。休みを有意義な暇つぶしに使おうとしたというのも偽らざるところだ。
けれど登山に限らず何か自然の中で現代社会において本来不必要な活動をすることの意義みたいなものは掴んだ。
結局それは自然対ヒトの喧嘩だ。それも1ミリの勝ち目もない喧嘩である。
結果として僕は富士の頂上へ登った。もちろん達成感はとてつもないものがあったが、それが勝ちにはならない。
むしろ自分に内在する生命の輝きを見せ付けられた点で完敗なのだ。
写真で見たり遠くから眺めた限りではまるで抽象概念と変わりのない富士がとてつもないスケールで現存するという事実。
それはまるでヒトが自分自身の生命を実感できないでいることに似ていると思う。
自分の命を燃やして辿り着いたさきでこれを見たら自分の生命を思わずにはいられないよ。


*1:映画「ペイ・フォワード」のラストシーンよろしく光の列がジグザグを描く様