ノーカントリー

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ジョエル&イーサン・コーエン監督作 ノーカントリー「原題:No Country For Old Men」を見ました。
主演:トミー・リー・ジョーンズ
助演:ハビエル・バルデム
  :ジョシュ・ブローリン


公式サイト


見終わったあとにしばらく放心状態というか思考の波に飲まれたというか、とにかく完全にもっていかれました。劇中の所々に散りばめられた作品の根幹をなす哲学(特筆すべきはラストの会話)やアカデミー賞で助演男優賞を獲得したほどの怪演を見せたハビエル・バルデム演じる殺し屋アントンの存在感(静かな狂気が怖すぎる)の二つがこの映画の肝であることは間違いないでしょう。
様々な男達の思惑が絡み合っていく中で、金でも名誉でもない彼自身の特別なルールでただ人を殺していくアントンの精神は一つもブレがないだけに恐ろしいのだけれど、どこかにかっこよさを認めてしまう。機械ではなく感情のある人間がここまで精神を削ぎ落として生きていけるものなのだろうか。議論の尽きない映画です。