偉大なるマンネリ

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以前に当ブログでも触れた山口県岩国市の市長選の結果がでた。
彼の地の民意は米軍基地移転容認派である福田良彦氏を選んだ。
基地移転の是非とは別に気になることがある。
先の大阪府知事選、そして今回の市長選とメディアでの露出の多い、つまり注目度の高い選挙戦で勝利を収めた候補者は表向きこそ無所属なわけだが事実上は自民党の候補と言っても差支えがない。
特に大阪府知事選に於いては自民対民主の対立構造が鮮明であっただけに結果が両者にもたらしたものは単純な勝ち負け以上のものがあった。
民主党にとってはすでに昨夏の参院選が古きよき思い出に成り下がってしまっているのではないだろうか?
参議院での主導権を握り意気軒昂と政権奪取を目指していたのは遠い昔。今ではただ機械的に政府与党の政策に否を突きつけるだけでむしろ日本の政治的混迷を殊更に助長しているだけの感もあるほどだ。
見方を変えればこれこそ55年体制から現在までのほとんどを与党として過ごしてきた自民党の処世術の上手さと言えるのかもしれない。がしかし、このまま今までと同じようにのらりくらりと与野党間での馴れ合いが続くようでは未来は明るくないだろう。
偉大なるマンネリとは志村けん的世界観、ひいてはドリフターズ的お笑い方程式に捧げられた最上の褒め言葉であると思う。
とは言えこれ以上政界に蔓延るこのマンネリは笑えない。ガソリン値下げ隊などというパフォーマンスでは冷笑も買えやしない。衆参ねじれは政治的に見ればこれほど望ましい形もないだろう。与野党ががっぷり四つに組み合って高次元での政策論争に興じてもらえればこれほど面白い見世物はないはずだ。
野党の反撃に期待する。