独法改革を実行せよ!

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小さな頃から英才教育を施し、手塩にかけて育てた子供が無事に社会に出て行きあとは面倒を見てもらうだけだと胸を撫で下ろした御両親。しかし自慢の息子に社会の荒波は厳しかったのか、すぐに泣き声をあげて助けを求められてしまった。
他人の目から見ればいつまでも甘やかしていてはいけないと思うところだろうが、当の御両親にしてみれば可愛い我が子。請われるがままに援助をしてしまう。ここまではよくある話であり、実際問題として人様のお家事情である限りは我々に口を出す権利などないし、口をだそうとも思わない。が、しかし仮に御両親が我々の下に御子息の援助のための資金を無心してきたとしたらどうだろうか?「どうして私があなたの子供の面倒をみなければいけないのですか?」と小言の一つでもいいたくなりはしないだろうか?
そんな事態が実際に我々の身に振りかかっている。
問題の御子息は独立行政法人独立行政法人通測法によれば

独立行政法人」とは、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人をいう。

のだそうだ。つまり完全に市場の競争原理の中に放り込んでしまうと国民に不利益を与えかねないが、国が全てを取り仕切る必要もない業務を行う会社ということである。会社という限りは独立採算が大前提で、利益が上がらないのならば何らかの改善策を講じるか、そうでなければ立ち行かなくなるだけなのだが、問題はこの独法が「国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業」という建前の下で一応は存在している点にあり、だからこそ国も本来の独法の意義に反するような公的資金(税金!)の投入を続けているという現状に繋がる。冒頭の例に当てはめるならば三軒隣の家庭のバカ息子が町内の浮沈を一手に引き受けており、だからこそ両親も大手を振って金を取り立てにやってくるのだ。仮に百歩譲ってこのバカ息子が本当に町内の命運を握っており、彼自身も汗水垂らして努力した末の結果がそれであるならば我々もまだ身銭の切りようがあるかもしれないが、現実はそんなに優しくはない。
まず第一に現存する101人のバカ息子の内の多くは町内の住人に顔を向けてはおらず、代わりに彼らと親交の深い友人や先輩後輩の面倒ばかり見ている。(関係省庁の官僚OBの天下りの温床)(業務契約の9割が随意契約
第二にバカ息子は自分にもとても甘い。(67法人の給与が国家公務員のそれよりも高い)
第三にバカ息子よりもよっぽど優秀な人材が存在する。(日本貿易保険と民間の保険会社の相違点は?)
そして最後にバカ息子の中にはいなくなってもちっとも困らない者もいる。(totoが国民生活や社会経済の安定に役立ってる?)
こうした問題にメスを入れて必死で改革を進めているのが渡辺喜美行政改革担当大臣である。渡辺大臣は現存する101の独法の内およそ40法人は廃止・民営化を含めた見直しが必要だと主張して関係各省に働きかけているのだが、そこは海千山千の政治家そして官僚が相手である。彼らからすれば独法はうまみ(利権)のたっぷり詰まったものであるわけで、そう簡単に手渡してなるものかとあの手この手で渡辺大臣の妨害をする。そしてこれは困ったと渡辺大臣は親分である福田首相に助けを求めるのだが親分はまるで他人事のように「どういう方法を取ろうと成果をあげてくれなきゃ困る」とさじを投げてしまっている。
そんな状況の中でも渡辺大臣は各省庁の大臣達との折衝を繰り返して今月の24日には独法改革案が閣議決定する予定だ。しかしここで注意したいのが、この改革案は20日に俎上に乗せられて官邸側が最終的な調整をすることである。つまり最終的に独法改革の行方を決定するのは内閣総理大臣に他ならないのである。
もしここで福田首相が官僚の圧力に負けるようなことがあれば我々は彼にNOを突きつけねばならないだろう。つまり近いうちに行われる総選挙で自民党に引導を渡すときが来るということだ。いつまでも一部の政治家と官僚においしい思いをさせるのはもう我慢できないのだが皆さんはどうだろう?
この件の行く末はしっかりと確認していきたい。